2008年03月11日

ツボカビ症で…オオサンショウウオ“完全放流”困難に

 平成16年秋の台風23号で被災した兵庫県豊岡市の出石川で大量に保護された、国の特別天然記念物オオサンショウウオからカエルツボカビ症の陽性反応(感染)が確認された問題で、その後も複数の固体から同症の陽性反応が出ていることが、8日わかった。激しい症状を引き起こす外来型ではないとみられるが、オオサンショウウオの同症の研究はほどんど例がないため、兵庫県が今年5月に終えたいとしていた全ての固体の放流が困難な状況になった。

 出石川では17年夏以降約420匹のオオサンショウウオが見つかり、県豊岡土木事務所(豊岡市)は「オオサンショウウオ保護対策検討委員会」を設けて対応。復旧工事が完了するまでは市内のニジマス養殖池で保護し、その後の工事状況に合わせて順次放流、今春にはすべての放流を完了する計画だった。

 ところが、昨年11月の1回目の放流前に、国立環境研究所(茨城県つくば市)にカエルツボカビ症の検査を依頼した結果、オオサンショウウオの一部から陽性反応を確認。さらに今月2日の2回目の放流前には、放流候補95匹のうち18匹から陽性反応を確認した。

 これまでの観察経過でも大きな変化はなく、カエルツボカビは両生類に大量死をもたらす外来種ではなく、在来種とみられている。しかしカエルツボカビ症を発症したオオサンショウウオの実例がないため、ようやく研究機関で病理研究が始まったばかり。

 検討委員会でも、委員からは放流容認の声があがる一方、「カエルなど他の両生類へ影響が出るかもしれない」といった慎重の意見もあり、養殖池で保護している残りの約280匹のうち、陽性反応の約30匹は「(放流の)結論が出せない状況」(県関係者)という。

 委員長で、オオサンショウウオの研究を続けている「日本ハンザキ研究所」の栃本武良所長は「オオサンショウウオは国の特別天然記念物だけに、すべてを放流できるかどうか病理専門家の意見を聞いて、今後の放流を考えたい」としている。

+Yahoo!ニュース-社会-産経新聞

Posted by jun at 2008年03月11日 09:11 in 外来生物問題, 魚&水棲生物

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