2008年01月31日

ニゴロブナ:種苗放流時期先延ばし 温暖化で表層と深層の湖水循環鈍く/滋賀

 ◇来年度試験的、12月→09年春へ−−県水産課が検討
 温暖化の影響が指摘される琵琶湖の水温上昇に対応するため、県は琵琶湖固有種のニゴロブナの種苗放流時期を変更し、今年12月の放流分の一部を09年2、3月ごろに先延ばしすることを検討している。ニゴロブナは湖の深い部分で越冬し、例年は12月に放流したフナが深層に移動するが、暖冬で冬期に水温が下がらないと、表層と深層の湖水が混ざらず、フナが表層にとどまる可能性があるためだ。

 ニゴロブナの漁獲量は20年前に約200トンあったが、06年には33トンに激減。開発に伴うヨシ帯の減少▽外来魚による食害▽琵琶湖の水位操作で卵などが干上がる――などが原因として指摘される。
 フナの種苗放流は、県水産振興協会が5月と12月に実施し、県が補助。5月は、ふ化したばかりの稚魚を田んぼに放流し、6〜7月に2センチ程度になった600万〜800万匹程度が田の水と共に琵琶湖に入る。12月には12センチ程度のフナ約120万匹を沖合で放つ。漁獲高全体の6割程度が放流魚と推測され、資源量の増加に効果があるとみられる。
 しかし、近年、新たな課題として浮上してきたのが琵琶湖への温暖化の影響。滋賀大の研究では琵琶湖北湖は最近20年間で平均水温が2度上昇した。例年なら▽春から秋にかけて水深約20メートルを境に表層と深層が分かれて混ざり合わなくなる▽冬に冷えた表層の水が沈んで水が循環する――などの仕組みがあり、「琵琶湖の深呼吸」と呼ばれるが、近年は循環の鈍化や時期が遅くなる現象が指摘されている。
 ニゴロブナは夏から秋にかけて沿岸域や表層に生息し、次第に沖合に移り、冬になると、深層に移動する。県水産課によると、これまでの研究で、フナは表層と深層が混ざらないと、表層側にとどまる傾向があるという。このため、水の循環が遅れたり、不十分だと、12月に放流しても、深層へ移らず、フナの自然な行動を妨げる可能性があると懸念。同課は来年度に「温暖化適応型ニゴロブナ種苗放流技術開発事業」を計画し、早ければ来年度は試験的に12月放流分の一部の約10万匹程度を09年春に放流する方針だ。
 このほか、県は▽アユやホンモロコなど4魚種の水温上昇の影響の検証▽水温上昇で繁茂する可能性のある水草の抑制のため、水草を食べる魚、ワタカの放流――なども計画している。【服部正法】 1月30日朝刊

+Yahoo!ニュース-滋賀-毎日新聞

Posted by jun at 2008年01月31日 09:41 in 内水面行政関連

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