2008年01月29日

霞ヶ浦導水事業問題 国交省が初の住民説明会

 国が進める霞ケ浦導水事業で、国土交通省霞ケ浦導水工事事務所は28日、水戸市の市民会館で住民を対象にした説明会を開催した。事業が始まった昭和59年以降、住民が対象の説明会は初めて。事業をめぐっては今月25日、生態系への影響を憂慮する流域漁協が取水口の建設中止を求める共同声明を発表、法廷闘争も辞さない構えをみせている。同事務所は「漁協も含めて、住民の幅広い理解を得たい」と話すが、焦りの色もにじんでいる。(中村昌史)

 同事務所は水戸市を含め、取水口を設置する那珂川周辺の8市町で説明会を開き、事業について説明する方針。水戸市民会館で開催された説明会には約50人が参加。事務所側は、スクリーンを使って霞ケ浦の水質浄化などの事業目的や、進捗(しんちょく)状況について説明した。参加者からは「無駄な事業ではないのか」などと声があがった。

 漁協側は、取水口によるアユの稚魚吸い込みや、霞ケ浦の湖水流入で生態系に悪影響が出る危険性を指摘。那珂川漁協の君島恭一組合長は、「漁業権を無視した工事には絶対反対。具体的なデータも示されていない。建設を前提とした協議や条件はいっさい拒否する」と強調した。

 同漁協は昨年10月、取水口建設と試験的取水の開始通告を受け、撤回を求める決議を可決。一方、同事務所はアユの吸い込み防止の網や一定時間の取水停止など諸対策を検証する外部委員会を設置し、試験で効果が確認されるまで本格運用はしないと説明してきた。

 その後、試験施設を別の場所に建設するよう求めた漁協の提案に対し、同事務所は今月、「現地での実物による試験が必要」と拒否回答。最終的に、那珂川流域の4漁協・漁連が足並みをそろえて反対を表明する事態に至った。

 那珂川取水口は幅50メートル、縦2.5メートルで、水戸市内の那珂川に約15億円の費用で建設される。国は3月にも契約、着工したい考えだが、現状では、同省と漁協が妥協点は見いだすのは困難とみられ、対立は法廷に持ち込まれる公算が大きい。

 導水事業は、霞ケ浦の水質浄化や渇水対策を目的に、霞ケ浦や利根川、那珂川を地下トンネルで結ぶ。同省は昨年12月、トンネル上の区分地上権設定の遅れを理由に、工期を5年間延長、平成27年度の完成を目指す方針を示している。

+Yahoo!ニュース-茨城-産経新聞

Posted by jun at 2008年01月29日 09:24 in 内水面行政関連

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