2008年01月22日

熱帯魚の捕獲相次ぐ 黒潮接岸大きく影響(和歌山)

 近年、県内で捕獲される魚類に、琉球列島以南に生息する熱帯魚が頻繁に交じるようになっている。数は年々増加傾向にあり、そのサイズも大きくなっていることが魚類に詳しい元高校教諭の池田博美さん(62)=田辺市あけぼの=の調べで分かった。在来種の生息数も変化しており、黒潮の接岸が大きく影響しているという。「昔に比べ黒潮の流れが強くなっている。全般的に県沿岸の水温が上がっている」と分析している。

 池田さんは1981年から27年間の黒潮の変化を調べた。それによると、夏場の潮岬への接岸は徐々に増加。96年以降は、大蛇行が発生した2004年夏〜05年夏を除き、ほぼ毎年接岸している。さらに冬場も接岸する年が増えてきている。夏冬とも離岸した07年は全般的に表面水温が低くなったものの、沖合では黒潮からの分枝流(上り潮)が強く、日ノ御埼付近まで入り込み、12月に入っても表面水温が20度より下がらなかった。
 これらの影響から、以前からまれに見つかる熱帯魚の幼魚に加え、成魚の捕獲が多くなっている。
 04年にオニアジ(アジ科)の成魚が田辺湾に大量出現した。06年にはバラクーダとして有名なオニカマスの成魚(全長85・8センチ)が白浜町の定置網に入り、07年にはGTと呼ばれ釣り人に人気のあるロウニンアジの成魚2匹(75・5センチ、69・5センチ)がすさみ町の堤防で釣り上げられた。昨年末には人をも殺傷する猛毒を持つオニダルマオコゼ(33センチ)が美浜町三尾で捕獲され、県内最北の捕獲例として県立自然博物館(海南市)で展示されている。
 黒潮の流れも強くなっている。06年6月、熱帯系の珍しいマンボウの仲間クサビフグの幼魚(全長19センチ)が白浜町沖で捕獲されたときは、黒潮が潮岬に時速7・4キロの速さで接岸していたため、分枝流が強い上り潮となって白浜町沖に流れ込んでいた。
 在来種についても沖合でゴマサバが大量に捕獲されるようになり、本来捕れていたマサバが減少しているなどの異変を指摘している。ゴマサバはマサバに比べ、温暖な海を好むという。
 池田さんは「入れ代わり立ち代わり現れる熱帯魚や、在来種の生息数の変化などを総合すると、県沿岸で温暖化の影響が出始めているのだろう」と話している。

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Posted by jun at 2008年01月22日 10:50 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

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