2008年01月04日

ラムサール条約登録の三方湖、固有種「ハス」絶滅か

 国際的に貴重な湖沼や湿地を守るラムサール条約で湿地登録されている福井県の三方五湖(若狭町・美浜町)の一つ、三方湖で、縄文時代から食用にされていた固有種の淡水魚「ハス」が13年以上確認されず、絶滅した可能性が高まった。県が今月まで行った2年間の生息調査で発見できず、地元では「絶滅したのでは」とあきらめの声も上がっている。

 ハスはコイ科で唯一の魚食性淡水魚。三方湖と琵琶湖・淀川水系に分布しているが、うろこの枚数が違うなど形態や遺伝的に違う特徴を持つ。三方湖のほとりにある縄文時代草創期の集落遺跡「鳥浜貝塚」(約1万3000年前〜5000年前)からは食べ跡とみられるハスの骨の化石が見つかっており、古くから生活と密着した存在だったことがうかがえる。
 しかし、三方湖の富栄養化によるプランクトンの異常発生や河川改修による産卵場所の消失で、昭和60年代から激減。平成6年6月に近くの川で遡上(そじょう)した数匹が目撃されたのを最後に報告がない。このため、県が3年前から三方湖と周辺6河川で生息調査を行ったが見つからなかった。
 最後にハスを目撃した吉田良三さん(67)は、三方湖で40年間漁師をしてきた経験から、河川への農薬流入でハスの稚魚が食べる三方湖の手長エビが激減、ハスも生息できなくなった可能性が高いと分析する。
 「この閉鎖水域で13年以上も目撃されない。絶滅したと思う。ラムサール条約登録の看板が恥ずかしい。生態系を守るためにも、行政は三方湖の抜本的な環境対策をしてほしい」
 一方、県は「琵琶湖から持ち込み放流などは考えていない。今後も継続して調査を続ける」と話している。

+Yahoo!ニュース-社会-産経新聞

Posted by jun at 2008年01月04日 10:34 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

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