県水産試験場(串本町串本)は、セイヨウオゴノリ(オゴノリ科)の養殖栽培を研究している。魚類の養殖海域の浄化を目的に、アオサ(アオサ科)に代わる海藻として注目しており、「食用にもなるので一石二鳥だが、効果的かどうかを調べたい」と話している。
魚類の養殖海域は、ふんや食べ残しの餌などで窒素やリンが増え過ぎると、赤潮発生の原因になる。窒素やリンを吸収し浄化するのに、いけすの周りで海藻を養殖栽培するのが効果的とされている。
紀南地方では、冬場は特産でもあるヒロメ(コンブ科)の養殖栽培が進められている。夏場の海藻として、県水産試験場はアオサを勧めているが、商品として売れにくい上、貝類の餌としても成長が悪いことから、養殖栽培をしている漁業者はいないという。
このため県水産試験場はアオサに代わる海藻としてセイヨウオゴノリに着目し、2年前から研究している。
セイヨウオゴノリは外来種だが、国内に定着しており、大分県などでは食用として販売されている。
県水産試験場では昨年度、東京湾で採取したセイヨウオゴノリを持ち込み、水槽内で魚と一緒に試験養殖。本年度から、魚類の養殖場となっている浅海漁場で試験的に養殖栽培を始めた。
成長は良く、アオサに代わる海藻として有望視しているが、今後も研究を続け、浄化力や経済的効果などを探りたいという。
県水産試験場の担当職員は「まだまだ研究が必要だが、ヒロメと同じように副収入につながればと思う」と話している。
セイヨウオゴノリはテングサと同じ紅藻の仲間。ひも状で軟らかい。テングサと同じように寒天の材料、つくだ煮にもなる。