環境省レッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定されている淡水魚ゼニタナゴが、ラムサール条約登録湿地の伊豆沼・内沼(宮城県栗原、登米市)の上流水域のため池で10匹確認された。周辺では2000年以降、1匹しか確認されておらず、関係者は「貴重な発見だ」と話している。
確認されたのは、栗原市築館八沢地区のため池。八沢水利組合や環境団体「ナマズのがっこう」などが今月中旬、ブラックバス駆除と生態調査を目的に池干しした際に見つけた。
オス5匹、メス5匹で体長は5.0―7.5センチ。昨年か今年にふ化したとみられる。
近くのため池では昨年、外来魚ブラックバスを約900匹ほど駆除。今回の池干しでは、バスは確認されなかった。ナマズのがっこう事務局長の三塚牧夫さん(57)は「ここでは良好な環境が保たれていることが分かった」と話す。
ゼニタナゴはタナゴ亜科の淡水魚。1970年代までは、関東以北の本州各地に生息していたが、開発による環境悪化やブラックバスなど外来魚の食害で激減。生息地は現在、東北の10カ所程度にすぎない。
県伊豆沼・内沼環境保全財団によると、伊豆沼や周辺では90年代まで多くのゼニタナゴが生息していたが、ブラックバスの影響で姿を消したという。最近では、06年に沼の集水域で1匹が確認されただけで、絶滅の可能性も指摘されていた。
同財団は03年から、伊豆沼・内沼で民間団体とともにゼニタナゴ復元プロジェクトを実施。ブラックバス駆除や調査を進めており、「今回の確認はプロジェクトの大きな弾みになる」と話している。