国指定天然記念物の淡水魚「ミヤコタナゴ」の生息地保護区となっている大田原市羽田の農業用水路で24日、環境省、県、市などによる生息状況調査が行われたが、6年連続で確認できなかった。
調査では、ミヤコタナゴが卵を産みつけるマツカサガイが確認されたため、環境省野生生物課の小石宗明環境専門員は「(ミヤコタナゴが)繁殖できる環境にはあるが、状態としては極めて厳しい」と述べ、今後「再放流も視野に対策を検討したい」と語った。
調査は用水路(約750メートル)に約15メートルの間隔で餌を入れたわな(透明でプラスチック製)54個を沈め、約2時間後に引きあげた。その結果、ドジョウ、ブルーギル、フナなどが見つかったが、ミヤコタナゴは確認できなかった。ブルーギルなどの外来魚の増加や水質環境の悪化などが要因とみられている。
再放流については現在環境省で計画を策定中で具体的な日程や内容などは決まっていないが、県水産試験場で育てている羽田地区産ミヤコタナゴの放流が検討されている。
羽田地区は平成6年に農業用水路と羽田沼を含む60.6ヘクタールが生息地保護区に指定された。毎年生息状況調査が実施されているが、7年に最多の184匹が確認されて以来激減。12年に95匹まで回復したが、14年以降は確認されていない。
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大田原市羽田のミヤコタナゴ(国天然記念物、絶滅危惧(きぐ)種)保護区で環境省は24日、ミヤコタナゴの生息状況調査を行った。しかし、1匹も確認できず、確認ゼロは6年連続となった。事態を受け同省は、種の系統保存として養殖しているミヤコタナゴを放流する、再導入計画の策定を進める方針だ。【柴田光二】
調査に当たった環境省野生生物課の小石宗明・環境専門員は「(保護区水路の)水質は悪化しているが、ミヤコタナゴの生息が不可能な状態ではない」との見方を示した。今年度中に有識者による分科会で再導入計画をまとめ、水質を改善するなど、生息環境を整えたうえで再導入を図る、との見通しを説明した。
調査では、生息地の用水路(750メートル)に、餌で魚を誘い込む筒状の罠(わな)計54個を仕掛けた。結果、▽タモロコ45匹▽ドジョウ29匹▽フナ6匹▽ザリガニ2匹を採取。ミヤコタナゴの外敵となる外来魚の▽ブルーギル6匹▽大口バス3匹もかかったがミヤコタナゴは0匹だった。
95年の同調査では、184匹を数えたが、その後は減少傾向が続いた。00年には95匹が見付かり、持ち直すと期待されたが、翌01年の14匹を最後に、1匹も確認されない状態が続いている。
要因としては、生息水路の上流にある羽田沼に、数百羽のハクチョウと数千羽のカモが飛来し、フンや給餌の食べ残しで水質悪化が拡大したためと見られている。地元ではこのため、昨冬から給餌制限に乗り出した。「羽田白鳥を守る会」の給餌量を従来の半分にしたほか、一般見物人にも餌やりの自粛を呼びかけてきた。
「市羽田ミヤコタナゴ保存会」の副会長で同タナゴ保護区監視員の小泉信義さん(80)は「ミヤコタナゴは6年も姿が見えないのだからできるだけ早く養魚を放流し、復活させてほしい」と話している。 10月25日朝刊