2007年09月10日

琵琶湖の生態系を知り、守る お魚ネットワーク

 子供と大人が一緒になって魚捕りを楽しみ、捕まえた魚の種類や場所を調査票に書き込む活動が琵琶湖周辺で盛んに行われている。湖とその周辺の生態系のデータを将来に残していこうと、県立琵琶湖博物館(草津市)や住民グループでつくる「琵琶湖お魚ネットワーク」が始めた取り組みだ。すでに1万カ所に上る膨大なデータが集まっており、参加者らは「環境回復に役立てば」と期待している。(川西健士郎)

 護岸工事、水質汚濁、外来魚の流入などさまざまな要因が重なり、琵琶湖の生態系はこの半世紀の間に悪化したといわれる。しかし、漁獲高の減少以外に琵琶湖の生態系の変化を示すデータはなく、当たり前のように語られる「生態系の異常事態」は、学術的には今ひとつ説得力に乏しい。

 せめて次の世代に向けて湖の「今」のデータを残そうと、生態調査の経験豊富なメンバーが多い琵琶湖博物館のボランティア団体「うおの会」と、WWF(世界自然保護基金)ジャパンが平成16年2月に結成したのが、お魚ネットワーク(事務局・同博物館)だった。

 ネットワークでは地域のNGOや企業、行政、学校、専門家が琵琶湖岸や湖への流入河川で別々に行っている観察会などに、専門家を指導員として派遣。参加者に魚の種類や捕れた場所、水辺の状況などについて統一の調査票に記入してもらっている。これまでに400近い団体や個人が参加し、集まったデータは約1万カ所分にも上った。

 調査票の整理と分析はうおの会が担当。地図情報システム(GIS)で地図化し、魚の生息場所が種類ごとに分かる分布図を作成している。

 指導員として各地の調査に立ち会っている琵琶湖博物館特別研究員の中尾博行さん(30)は「子供たちに、100年後に残すデータになると説明すると、うれしそうに目を輝かせます。いないと思い込んでいた魚を見つけて『今もおるんや』と驚く大人も多いですよ」と話す。

 環境教育に適しているだけでなく、身近な水環境を再発見する楽しみを得られることが、活動を活発化させている。

+Yahoo!ニュース-滋賀-産経新聞

Posted by jun at 2007年09月10日 12:35 in 各種イベント, 魚&水棲生物, 自然環境関連

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