2007年08月20日

間違いだらけのビオトープ作り 姫路市立水族館、企画展で“警鐘”

 「校内に池を作ればビオトープというわけではない」−。環境学習の素材として、姫路市をはじめ全国の小学校に広まっているビオトープ作り。しかし外来種の放流など、本来の意義がよく理解されないまま作られている例が多い現状を憂慮し、同市西延末の市立水族館は企画展「ビオトープってなんだろう?」を開き、警鐘を鳴らしている。同館は「夏休み中、ぜひ多くの学校関係者に来てもらいたい」と話している。31日まで。

 会場では、正しいビオトープの例として水槽内に田んぼや草むらなどを再現。トノサマバッタやヤゴ、クサガメなど在来種約20種を展示しているほか、“悪い例”としてカダヤシやアメリカザリガニ、アカミミガメなど、誤って放流されることのある外来種も紹介している。

 ビオトープはドイツ語で、BIO(生物)とTOP(場所)を組み合わせた造語。元来は「野生動物の生息空間」を意味し、例えばホタルの場合なら、幼虫期の水辺、さなぎの時期の土、成虫期の草むらといった生息環境全体をひとまとめにした概念。ところが日本では、池や水辺を作って生き物を放すことだという表層的な解釈が広まっており、必要のない造成工事や外来種の放流など、理解不足に基づく弊害も多いという。

 同館職員でビオトープ管理士の竹田正義さんは「誤った理解が浸透している。無理をして池を作らなくてもビオトープは成立するのに、予算が付くからとせっかくの自然豊かな環境を工事で壊し、コンクリートと金網で囲った“ビオトープ”が作られる例もある」と嘆く。

 竹田さんは、生き物を放した水辺を校内に作るという日本独特の「学校ビオトープ」について「人工的であっても、学校内に地域の野生動物を呼び戻す場を設けるのは教育上意義のあること」と一定の理解を示す。

 しかしその上で「学校ビオトープで周辺にいない珍しい生き物や外来種を繁殖させ、地域の生態系を撹乱(かくらん)するようなことがあっては本末転倒。まずはビオトープの本来の意味を知り、地域の身近な自然を再現する程度を目指してほしい」と話している。

+Yahoo!ニュース-兵庫-産経新聞

Posted by jun at 2007年08月20日 13:00 in 魚&水棲生物, 自然環境関連, 内水面行政関連

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