滋賀県環境審議会(会長・宗宮功龍谷大教授)は31日までに、2030年の琵琶湖の理想の姿と実現に向けた政策を盛り込んだ「琵琶湖流域水ビジョン」(仮称)の答申案をまとめた。水質だけでなく生態系保全や県民生活との関係など、幅広い視点から琵琶湖の将来像を描いている。
琵琶湖総合保全整備計画(マザーレイク21計画)など既存の計画は、水質改善に重点を置いている。しかし近年、湖底の低酸素化や水草の異常繁茂など新たな問題が生じているほか、県民と琵琶湖のかかわりが希薄化しているため、新たにビジョンをつくり、対策を講じることにした。
答申案では、在来魚の生息場所を確保するため、▽在来魚の産卵時期の水位確保▽琵琶湖から田んぼまで遡上(そじょう)できる水路の確保▽シジミを増やすための底泥の改善−などを挙げた。また、県民と琵琶湖とのかかわりでは、「遊・食・住」を将来像に定め、観光客の増加、おいしいシジミ汁や安価なフナずしなどの提供、湖畔で過ごす県民の増加−をそれぞれ例示した。
実現に向けた政策は「水質」「生態系」「人の暮らしと琵琶湖のかかわり」の3つに分け、▽水質汚濁メカニズムの解明▽内湖や湿地生態系の保全と再生▽流域の暮らしや文化が水環境に及ぼす影響の解明−など96項目を記した。
答申案は一部の文言などを修正したうえで、6日に嘉田由紀子知事に提出する。