今週初めの大雨をきっかけに琵琶湖岸に産み付けられたフナやコイ、モロコの卵が、多数干からびて死んでいることが28日までに、滋賀県水産試験場の調査で分かった。水害に備えて国が瀬田川洗堰を全開放流し、水位を急低下させたことが原因とみられる。
■洗堰全開で水位急低下
産卵地として知られる湖北町延勝寺のヨシ帯で、同試験場が26、27の両日に調べたところ、水際のヨシやマコモに産み付けられた卵が水面より上に現れ、黄色く干からびているのを確認した。
フナやコイは水位上昇で産卵が活発になる。産卵数を調べている国土交通省琵琶湖河川事務所によると、春以降、雨が少なかったため産卵は低調だった。しかし、24日の大雨で水位はマイナス14センチからプラス4センチに急上昇し、同事務所は10万個以上の「大産卵」を確認した。
同事務所は卵のふ化に配慮する水位操作を2004年度から試行しており、本年度は大産卵を確認した後、5日間は水位を維持してふ化を助けることにしていた。
しかし、この操作は大雨の心配が少ない4−5月に限られ、今の時期は水位が上がった場合、水害防止のため速やかに制限水位(マイナス20センチ)まで下げることになっている。この操作規則に基づいて全開放流を始めたため、28日時点で水位はマイナス6センチまで下がった。
県水産試験場は「水産資源保護の観点から、できることなら水位を維持してほしい」という。琵琶湖河川事務所は「週末も降雨が予想される。治水を考えれば制限水位まで下げざるをえない」としている。