農作物に深刻な被害を与えているアライグマが、釣り餌や弁当の残りかすなどを狙って紀南地方の磯に出没し始めた。小さな荷物なら持ち逃げするため、釣り人は「気になって釣りに集中できない」と困っている。
夜ごと3匹のアライグマが現れている白浜町塩野の地磯では、潮が満ちてくると陸から続く岩が水没してしまうが、釣り人がいる島まで餌を求めて泳いで渡って来るという。
釣り人らの話によると、午後6時半ごろから現れ、釣り人の後方で様子をうかがっているという。すきを見計らって、荷物の横に置いているナイロン袋やクーラーバッグなどを引っ張って持っていってしまう。
毎年、この時季にイサキを釣りに来るという田辺市目良の吉田和雄さん(63)によると、2年前からちらほらと姿を現し、昨年から1メートルぐらいまで近寄るようになったという。「リュックを開けたり、餌のオキアミを食べたりする。釣った魚を持って行くこともある。追い払っても懲りずにやって来る」と話している。
アライグマの調査研究をしている田辺市稲成町の市ふるさと自然公園センターの鈴木和男さん(50)は「アライグマは海辺も餌場として使っている。人を恐れない動物なので、見掛けても餌を与えないように」と呼び掛けている。