農作物に被害を与えているアライグマの有害駆除捕獲数が、2006年は旧田辺市内で過去最高となる175匹に上った。地域別にみても5年間で市街地から山間部までの14地区に捕獲場所が広がった。アライグマの生態調査をしている市ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんは「生息数の増加もあるが『自分の畑は自分で守る』という農家の意識が高くなった表れだろう」と分析している。
旧市内での捕獲数は02年が31匹、03年141匹、04年160匹、05年121匹となっている。02年は中芳養、新庄など限定された地域でしか捕獲していなかったが、04年には上芳養、稲成、万呂などでも捕獲が始まり、05年には旧市内全域に広がった。06年は12地区となった。5年間では延べ14地区。
5年間で100匹以上捕獲しているのは中芳養(143匹)と新庄(132匹)。次いで三栖(87匹)、上芳養(73匹)の順になっている。06年1年間だけでみると、中芳養(35匹)の次に稲成(31匹)が多く、捕獲地域が農地だけでなく、住宅地にも広がっていることを示している。
月別にみると、春に生まれた子どもが活発に動き始める8月(87匹)に集中、全体の2割以上を占めている。スイカなどアライグマの被害に遭いやすい農作物が多く採れる時期でもある。
市は捕獲を進めるため、貸し出し用の捕獲おりを新規に購入しており、02年に6個だったものが03年には計34個に増え、06年は計54個になっている。今後も状況に応じて買い足していくという。
鈴木さんは「他県では住居の中にまで入ってくる例が多いが、田辺市では今のところ頻発していない。農家による捕獲が侵入を食い止めているのだろう」という。
市農政課は「今後も被害減少のため、目撃情報と捕獲への協力をお願いする」と話している。