オーストラリア内陸で、野生化したラクダが異常に繁殖し、人間の生活圏に入り込んでモノを壊すなどの被害が出ている。総数100万頭ともいわれ、いまや同国は世界一のラクダ大国。植物の食い荒らしや水場の枯渇など、生態系への影響が懸念されている。
ラクダは18〜19世紀に鉄道建設や鉱山開発などの運送手段としてインドなどから輸入され、1920年代には2万頭が飼育されていた。交通手段の発達で不要になったラクダが野に放たれたが、乾燥気候に適応して頭数が膨れあがった。
今年のオーストラリアは大干魃(かんばつ)で、ロイター通信によると、水分の欠乏で、数千頭のラクダが瀕死(ひんし)の状態になっている地域もある。また、渇きで正気を失ったラクダが集落を襲い、水を求めて屋外の水道栓やエアコンのパイプ、トイレなどを踏みつぶす事件も起こっているという。
また、増えすぎたラクダが植物を食い荒らしたり、他の動物の水場を奪うなど、生態系を乱し始めている。
ラクダの襲撃を受けた西部の砂漠地帯にある集落はハンターを雇い、週に100頭のラクダを駆除し始めた。肉は冷凍し、ペットフード用に出荷するといい、ラクダにとって“受難”の日々が続いている。(坂本英彰)
Posted by jun at 2007年03月19日 12:11 in 自然環境関連