田植え時期に水田で産卵するといった琵琶湖のナマズの習性を調査した滋賀県立琵琶湖博物館の前畑政善総括学芸員(56)の研究論文がこのほど、魚類の生態に関するオランダの学術誌に掲載された。降雨や水の濁りと産卵行動との関係など、あまり知られていなかった行動を解明している。
前畑学芸員が1997−98年の約240日間に、大津市西部の湖岸の水田で、産卵にやってくるナマズと、降雨や水温、水路の濁りなどとの相関関係を調べた。
その結果、降雨量が多いと、ナマズが水田に出現する頻度が高いことが明らかになった。また、4月下旬から5月上旬の田植え時期には降雨がなくても水田に現れており、水の濁りや量が産卵行動を誘発していることが分かった。
このほか、通常5−6月とされているナマズの産卵時期が、琵琶湖では4月下旬から8月下旬までの長期間にわたるなど、固有の地域性を持っていることも判明した。
前畑学芸員によると、漁業関係者の間では降雨や田植えによりナマズが水田で産卵する、といわれており「言い伝えが科学的に検証できたのは初めて。ナマズが活動できる、ほ場整備されていない水田は減少しており、今後の生息数などが心配」としている。