滋賀のお茶どころ、甲賀市で新たな害虫「ミカントゲコナジラミ」が発生し、茶農家を心配させている。4、50年前にミカン産地で問題になった害虫で、3年前に国内で初めて茶に発生しているのが宇治市で見つかり、滋賀にも広まった。県茶業指導所(甲賀市)は3月1日に開く研究会で、これまで分かっている生態や防除法について農家に説明する。
同指導所によると、新害虫はシラミの一種で、成虫で体長1ミリほど。中国から持ち込まれたとみられ、1950−60年代に全国のミカン産地で、幼虫の分泌液で表皮が黒くなる「すす病」を引き起こした。天敵のハチ「シルベストリーコバチ」を中国から導入して、被害は収まった。
ところが、2004年8月に宇治で茶の葉に発生しているのが見つかり、昨年9月に滋賀、10月には奈良でも発見された。滋賀県内では宇治に近い甲賀市信楽町で多く、大量の成虫が畑を飛び回って農家からの問い合わせが相次いだという。
茶で新たな害虫が問題化するのは極めて珍しく、同指導所の竹若与志一主査(41)は「新芽にはついておらず、実害も出ていないが、天敵などで防除を進めたい」と話し、天敵のハチに害となる薬剤の使用を控えるよう農家に呼び掛ける。
なぜ茶に発生するようになったのかは不明だが、台湾や中国などアジアの温暖な地域では発生例があるといい、「温暖化など異常気象の影響かも」との声も出ている。