宮城県伊豆沼・内沼(栗原、登米市)を調査対象とする各分野の研究者らが相互交流し、最新の成果を共有しようとの動きが出ている。2月末には栗原市で、さまざまな分野の研究者らが一堂に会した初の研究集会が開催されたほか、各種論文をまとめた研究報告書の刊行も予定されている。
伊豆沼・内沼は国内有数のガンカモ類飛来地として知られ、1985年に国内2番目のラムサール条約登録湿地指定を受けた。条約指定に合わせ、県伊豆沼・内沼環境保全財団が組織され、沼の保全活動のほか学術研究の支援を行ってきた。
「財団という窓口と20年分のデータ蓄積があるため、研究に取り掛かりやすい」(研究者)という好条件に加え、世界的な環境意識の高まりもあり、近年、沼を調査する大学や研究機関が増えているという。
研究分野も20年前に比べてすそ野が広がり、幅広い学問分野を横断した「伊豆沼学」とも言える体系が構築され始めてもいる。
こうしたことから、財団を中心として、異分野の研究者同士のデータ共有などを目的とした研究集会の開催と「研究報告」の定期刊行が行われることになった。
2月25日の「第一回伊豆沼・内沼研究集会」では、宮城、岩手の大学や公的研究機関、環境NPOなどの研究者12人が発表。元素測定による沼の食物連鎖の考察や、従来ほとんど調査されていない沼の昆虫・両生類の現状調査といった専門的な研究のほか、水田での魚道設置など一般的な話題までさまざまな成果が発表された。
伊豆沼・内沼の自然環境は戦後急速に悪化し、現在はさらなる進行を食い止めている状況。県伊豆沼・内沼環境保全財団は「幅広い分野の成果を蓄積することは、沼の環境保全施策を考える上でもプラスになる。全国の他の湖沼の環境保全にも活用できる成果を残したい」と話している。
Posted by jun at 2007年03月06日 17:38 in 自然環境関連