2005年04月20日

「MORIZO'S U.S.TOURNEY FILES 10」

FILE 10 チョロイはずの試合だったのに……
FLW TOUR第4戦ビーバーレイク大会

 FLW TOUR第4戦ビーバー・レイク大会では、今シーズンはじめて7日間ものプラクティスができた。ビーバー・レイクはFLWが開催するフィールドの中ではもっとも小さいフィールドで、数日あれば簡単に全域を回ることができるほどの規模だ(他は7日間あっても回りきれないことが多い)。しかもこの湖での試合は私にとって3回めということもあり、予備知識も多い。プラクティスをはじめたら、すぐに「こんなに釣れてもエエんかーーッ!」というくらい釣れてしまった。数はもちろんサイズもよく、過去の1日の最重量をラクに越えてしまうほどのビッグウエイトを釣ってしまったのだ。

 ところが、これが仇となってしまった(T-T)。
 上流域、中流域、下流域と、どのエリアでもグッドウエイトが釣れてしまったため、試合前夜になってもパターンやエリアの絞り込みでかなり迷ってしまったのだ。「練習のしすぎも問題やな〜」と変な気分に。
 バスマスターツアー第6戦(テーブルロック大会)では多くの選手がジャークベイトでいい成績を残していて、「ビーバー・レイクも同じ水系やからジャークベイトかなぁ」と思って試してみると、ババーンとビッグウエイトが出せた。「オイ、ジャークベイトで釣れるやんけ。これならテーブルロックでもやっとけばよかったぁ〜」と余裕のひとり言(笑)。そうしているうちに、日を追うごとに天候が変わってきた。すると、徐々にジャークベイトでも釣りにくくなってきてしまったのだ。「ありゃ。どないしょ……(^-^;)」という気持ちのまま、本戦を迎えることになってしまったのである。
 
 ビーバー・レイク大会は優勝賞金がデカい(通常の倍となる20万ドル)ため、選手は他の大会より“頑張ってるオーラ”を放っていた。そんな感じだから、初日にマイエリア全部に行っておかないと、2日めに「お前、昨日来てなかったやろ」とか言われる可能性がある。そこで、とりあえず初日から全部に回ることにしたのだが……展開をミスってしまったのだろう。見事にホゲッてしまった(T-T)。まぁ、最後の最後に2Lb12ozが釣れたからゼロではなかったのだが、戦略としては大失敗だった。
 今シーズンは「1回は優勝する」という目標があったから、自分ではいろんなエリアをランガンして釣りまくってビッグウエイトをねらった。プラクティスの状況から「リミットメイクは簡単」と思っていたのだが、釣れてくるのは15in以下のキーパーサイズに満たないバスばっかり。ジャークベイトもダメ、スピナーベイトのパターンもダメで、結局いいサイズのバスはかなり浅いレンジにステイしていたようだ。
 大会2日めは、朝から濃霧。通常どおりスタートはしたが、霧が晴れると今度はデッドカーム(dead calm:湖面が穏やかな状態。いわゆるベタナギ)になって、「これでは釣れへんやろ」という気分に。それで今シーズン初となるスピニングタックルを手に取り、4inのワームにジグヘッドをつけて投げた。すると、「もうナンボでも釣れますわ〜」という状況。しかし、どれだけ入れ替えしても10Lbを越えられない。これがジグヘッドリグの限界だったのだ。
 
 正直なところ、ビーバー・レイクはホントにチョロイい湖だと思っている。しょーもない湖というか……「負けといて、何を言うとんねん!」という感じなのだが(T-T)。
 2日めには、スピニングロッドのガイドが折れるハプニングも。しかし、スピニングロッドは1本しかボートに積んでいなかったためそのまま続投する。しかし、それでもとにかく数は釣れる。「いったい、どんな湖やねん」と思いながら、結局ウエイトを上げることはできずにトーナメントが終了。もっと清水盛三が活躍できる湖……規模が大きくてシャローフラットがあって、クランクベイトをグリグリ巻けるような湖を選んでほしいものだ(ボソ)。
 
 この試合を通じて、バスマスターとFLWの違いを露骨に感じることができた。FLWにはオフリミットがないため、好きなだけプラクティスができる。この湖はトーナメントレイクでは小規模なほうで、しかも水質は超クリア。それで200艇がプラクティスを何日もやる。時期的にシャローバンクは毎日撃たれまくっている状況なので、バスにプレッシャーがかからないはずがない。つまり、本戦がはじまったころにはバスも疲れていて、ウエイトも伸びないという状況だったのだ。これは批判しているのではなくて、「だから上位に食い込むのが難しい」ということだ。
 フロリダも苦手、オザークス水系も苦手。ではどこが得意なのかといえば、テネシー水系。基本的にマディウォーターで、ウッドカバーが多いレイクである。今シーズンのバスマスターでいえば、ズバリ、レイク・ガンターズビルがそれだった。FLW第5戦のレイク・ウィーラー(アラバマ州)も非常に楽しみなフィールドのひとつ。だから、次戦こそはぜひとも期待していただきたい(笑)。間もなく日本に一時帰国するので、マインドもリセットされるし、ウィーラー戦では上位入賞間違いなしだ。

 FLW TOUR第4 戦が終わり、今シーズンのFLW TOURでの成績を振り返ってみたところ、自分でもビックリするほど最悪な状況が続いている。なんと今シーズンはFLWにて1回も賞金を得ていないのだ。「BASSの生涯獲得賞金額はFLWのそれを越えないだろう」などと思っていたら、気がついたらBASSのほうが上になっていた(注:清水さんの現時点でのBASSの生涯獲得賞金額は5万5681ドル。FLWが5万4 304ドル)。バスマスターツアーに出場している選手層とFLWを比べると、バスマスターで上位入賞するほうが困難に見える。今シーズンは第3戦のガンターズビル大会で2位に入っているので、それなりに賞金はもらったが、それでもBASSが上になるとは到底考えてなかった。ちょっぴり嬉しい反面、「FLWでハズしまくってるだけやろ!」と自分にハッパをかけた清水盛三であった。

Posted by DODGE at 2005年04月20日 19:40 in MORIZO'S U.S.TOURNEY FILES

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