2005年03月18日

MORIZO'S U.S.TOURNEY FILES「FILE7」

FILE 7 試合の順位は練習量に比例する!?
FLW TOUR第3戦ワチータ・リバー大会編

 バスマスターツアー第4戦ストローム・サーモンド大会が終了してFLW TOUR第3戦ワチータ・リバー大会に挑んだのだが、今回もまた直前プラクティスは2日間しかできないスケジュールだった。ストローム・サーモンド戦もそうだったが、直前プラクティスの時間が3日間以上取れなさそうなレイクでは、優先的にプリプラクティスを行なっている。このプリプラから得た情報によって、今年は数多くの試合で好勝負ができた。バスフィッシングはバスや自然との闘いであって、アングラー同志の闘いだとは思っていない。エリアがバッティングしたり、混戦になった場合にはアングラー同志の駆け引きも勝負の分かれめになる。しかしその根本が“自然vsアングラー”という構図にあることは誰もが賛成してくれるだろう。本戦で天候がどう変わろうと、そのコンディションにアジャストしてバスをキャッチするのがバストーナメントであって、私たちはそれを仕事にしているのだ。

 しかし、アメリカのレイクは日本のレイクとは異なり、その規模が大きいだけに数日魚探で地形を調べただけでは全容を把握することなどできない。私たちは毎試合琵琶湖サイズのビッグレイクを舞台にトーナメントを行なっている。だからこそ、地図や天気図、気温の変動などの要素を総合的に考えてバスの動きを読む技術が問われるわけだ。中でも、湖に出る前からある程度のエリアを押さえるのはかなり重要なことだ。近年、30歳代の若いアングラーが急成長してトーナメントシーンを引っ張っている。その一方、私がゼル・ローランドに優勝をかっさわれたように、今シーズンの結果を見ると50歳を越えたベテラン選手の活躍も目立っている。これは、彼らに長年に渡って積み上げられた経験があるからだと思う。連戦、そしてBASSの場合は30デイズ・オフリミット・ルールもあり、「経験がモノを言う」ケースが起こっていると考えられるのだ。
 私のように経験が少ない場合、アングラーはプラクティスの量でそれをカバーするワケだが、その練習時間も取れないとなると、「地図から情報を読みとる技術」や「プラクティスの質」、「技術の向上」で補うほかない。今回、私はFLW第3戦を85位で終えて、そういったトーナメントを勝ち抜くためのファクターについてとても考えさせられたのだ。
 
 ところが、ワチータ・リバーには他のフィールドのようにレイクマップと呼ばれるものがないのだ(T-T)。有名レイクの場合、釣り用の詳細なレイクマップが発売されているが、ワチータ・リバーは南北に長いためか、最近まで“バス釣り場”としてのポテンシャルが知られていなかったためか、また複雑に地形が入り組んでいるためマップが作れないのか、とにかく私は「ロードマップのちょっとだけ詳しい版」をもとにプリプラクティスと直前プラクティスを行なった。直前プラは移動などによって2日間しかできないと読んでいたから、事前にプリプラをやっておいた。もしプリプラがなかったら、まったくバスを探せなかったかもしれない。それほど入り組んでいて、バスが散っていて、活性の高いバスが集中するエリアを押さえにくいフィールドだったのだ。
 バスマスター第3戦の前に数日間プリプラをやってみたが、このときより水位が2mほど下がっていた。2mもの減水によってまったく水がなくなるエリアもたくさんあって、直前プラはさらに難しくなった。
 
 
 本戦初日は3Lbクラスを1尾混ぜて3尾で5Lb2ozをウエイイン。わずか2日間のプラクティスということを考えれば、客観的に見てこのウエイトは決して悪いと思わない。プラクティス中は誰とも出会わなかったのに、本戦になるとラリー・ニクソンも近くにいて、「ラリーがおるんやったら、場所は大ハズシしてへんぞ〜」と思ったら、彼は2尾で3Lb2ozだった……。
 こうなったら、2日めは「初日に釣れた3 Lbクラスをどれだけリミットに混ぜられるか」に賭けるしかない。2日めも迷わず同じエリアからスタートしたが、午前11時ごろになってもライブウェルはまだ空の状態。移動しようと思ったが、なんとなくワイルドハンチで釣れる気がして、反対側のストレッチをひと流しすると、5Lb のバスをはじめに、パンパンパーンと連チャンでヒットしてきた。バイト自体は7バイトくらいあったが、フックアップしない。ショートバイトというのか、それ以下の僅かなアタリに悩まされた。この日は3尾で9Lb2ozをウエイインし、85位でフィニッシュした。
 
 
 大森(貴洋さん)も、やはりプラクティスの時間は2日間くらいしかなかったらしい。彼もワチータ・リバーについては知識が豊富なわけじゃないし、強いていうなら経験か。それとも質の高いプラクティスをしたのか、初日は3位につけて最終的に12位で終えたんだから、大したものだと思う。
 優勝した並木(敏成)さんについて、「練習時間を長く取れたから勝てた」みたいなことを言う人がいるけど、それは違うと思う。いくら時間が長く取れても勝てなかったアングラーは多いわけで、長さより質が問われるべきだと思う。どんなトーナメントでも条件は異なっているし、「優勝する」のは本当にスゴいことだと思う。オメデトー!(^0^) でも次はボクがイカせていただきたいと思う(笑)。
 
 試合が終わって、今はバスマスターツアー第5戦の開催地に移動してきた。ついに体力も限界に近づいている。寝不足にはじまって、腰が痛くなって、今度は風邪をこじらせた(T-T)。ここ3日間くらいは動くのもシンドイほどで、なんとか開催地に移動できたという状態。昨日はモーテルでずっと寝て、とにかく体力の回復を心がけた。今日プラクティスに出てみたが、まだ完全に風邪が治っていなかったので、あまり集中できなかった。このレイクも第4戦同様にストラクチャーが乏しく、桟橋だけは星の数ほどあるという「ヤル気が失せるくらい面白くなさそうな」フィールドだ。もっとも、出場するアングラーはみんな同じ条件。バスマスターはあと2試合なので、トップ12入賞を……いや、初優勝目指して頑張りたい。

清水盛三さんへの応援メールは、清水盛三公式ウェブサイト「MORIZO WEB」から。

Posted by DODGE at 2005年03月18日 09:10 in MORIZO'S U.S.TOURNEY FILES

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