2005年01月24日

MORIZO'S U.S.TOURNEY FILES 「FILE 1」

FILE 1 パートナーのミスで失格……2005年はホロ苦いスタートに
FLW TOUR第1戦レイク・オキチョビー大会編

 もう正月気分なんか消え去ってしまったと思うけど、明けましておめでとう。今回からこのbasswaveでアメリカのトーナメントレポートを届けることになったので、よろしく。みんなはすでに結果を知っていると思うけど、今回は1月19日からはじまった今シーズン第1試合め、FLW TOUR第1戦レイク・オキチョビー大会のレポートをお届けしよう。

 アメリカには12月中旬に戻ってきて、まずはBASSバスマスターツアーのプリプラクティスを行なった。フロリダ州レイク・トホ、ハリスチェーン、ジョージア州レイク・ストロームサーモンド、ノースキャロライナ州レイク・ノーマンを見て回って、今回の会場となったレイク・オキチョビーに入って6日間プラクティスして本戦に突入した。
 
 今回でオキチョビーでのトーナメントは4回め。プラクティスで押さえる場所もわかっていたので、初日からフリッピングでスポットを絞って釣りをしてみた。これが想像してた以上に釣れて、少なく見積もって5尾で7〜8Lb、よくて15Lbはイケるという感じ。特にプラクティス初日は上限なく釣れて、「イケるんちゃうの!?」と好感触。「ついにオレにも運が回ってきたでぇ!」と上機嫌になっていた(笑)。ただ、ブッシュエリアでは釣れても、ウイードマットでは全然ダメ。マットの下にバスがいることはわかっていても、湖が広いので的確な場所が掴めない。結局マットでは2尾しか釣れなかった。釣れればグッドサイズだっただけに、課題を残すことになった。

 私がメインにしていたのはサウスベイというエリアで、マリーナから東に行ったところ。優勝したケリー・ジョーダンのメインエリアだった西側のモンキーボックスにも行ったが、毎年恒例ともいえる“招かざる客”コールドフロント(寒冷前線)が今年もやっぱりやってきた。北風がキツくて寒いし、水はニゴリはじめるし、「やっぱりサウスベイに行こう」と決めた。
 
「(サウスベイなら)よくて15Lbはイケる」と書いたが、私の決勝進出予想ウエイトは28Lbだった。つまり、自分自身がグッドジョブをすれば、決勝に行けるパターンだと思っていたのだ。それだけに、今回はかなり気合いが入っていた。
 
 本戦初日は、本命のサウスベイへ直行。「朝からドカンと釣ったるでぇ!」と意気込んで行くと、一番美味しいエリアに誰もいない。「よっしゃ、独占やっ!」と思って近寄ると、なんと水がメチャメチャ濁っているではないか。水深は1.5mくらいで普段は透明度が50cmくらいはあるのに、この日は10cmくらいになっているのだ。「これはアカンかも……」と思いながら釣りをしたが、どうにもシックリこない。そこで、近くの第2スポットに移動したら、銀座になっていた。見える範囲でも15艇くらい浮いている状況なのだ。日本のトーナメントであればこの数は少ないが、アメリカで15艇といえばかなりの渋滞だ。聞くところによると、モンキーボックスはその倍以上のボートが浮いていたらしい。この数が今回のオキチョビーの難しさを物語っている。
 で、初日の結果は……4尾で5Lb1oz。正直、ガックリだ(苦笑)。
 マリーナに帰る最中も「あんだけプラでよかったのに、このウエイトはないやろ〜」と本気でヘコんだ。確かにプランをミスしてしまったのだが、一生懸命やった結果なのだから「しょうがない」と自分に言い聞かせた。とはいっても、考えれば考えるほど悔しさが大きくなってきて、「飲まなやってられるか!」と、初日に成績の悪かった“同志”をモーテルに呼んで酒を飲んだ。
 
 2日めは朝から快調で、前日の酒で気持ちがリセットされた感じだった。ボートを用意しているときも、「今日は釣れる気がするわ〜」と周りに言っていたくらいだ。案の定、朝からいいテンポでクランクベイトにバイトがあり、10時までに3尾キャッチ。それからフリッピングにスイッチして、「なんか風が止んできたな」と思ってたら、ガツンと巨大なのがきた。結局ブッシュに巻かれてラインブレイクしてしまったのだが、間違いなく7パウンダーはあっただろう。そのあとにグッドサイズを2尾追加したが、アレは比べものにならないほどのスーパーデカい魚だった……けど、こればかりは自分の力不足。
 
 で、ここからが今回のメインの話。マリーナに戻るためエンジンをかけようとしたらバッテリーが上がっていて、必死になってエレキのバッテリーと交換。結局、帰着締め切りの1分前に到着した。「間に合った〜。よかった〜」と思っていたら、パートナーが「俺のバス、ライブウェルに1尾しかおらへん」などと言うではないか。確かにパートナーが3尾釣ったのを見ているし「もしかして……」と私のほうのライブウェルを開けると……7尾入っとるやん!
 FLWの場合、プロとコ・アングラーは別々のライブウェルに魚を入れる規則になっている。これまでにこんな事態に遭遇したことなどなかったので、「これって、失格やろ? どうなん?」とパートナーに聞くと、「大丈夫や」と自信満々で答えるのだ。とりあえず検量すると、11Lb11ozとまずまずのウエイト。
 しかし、検量が終わってステージから降りてくると、トーナメント・ディレクターが「悪いけど、失格や」と告げてきた。ルール違反をしたくはなかったので、私はこのことをオフィシャルに申告していたのだ。だから、公式には私の2日めのウエイトはゼロ!
 でも、どう考えても納得がいかない。
 この件に関していえば、100%パートナーの不注意なのだ。ライブウェルを開けたとき、パートナーの魚が混じっていたとはいえ、自分の魚がどれなのかわかっていた。オフィシャルに申告しなければ、60位くらいには入っていただろう。ただし、申告したことを後悔してはいない。後になってモメたり、グチグチ言われるのはイヤだったからだ。でも、ここでは声を大にして言いたい。「2日めの失格は、オレのせいとちゃうんやでぇえええ!」……と。ルールを把握していても、未然に防ぎにくい今回の怪事件は本当にツラかった。修行僧のようにプラクティスしたのに……。

 JBワールド初年度の霞ヶ浦戦でエントリーカードに名前を書き忘れて失格になったことを思い出したが、あれは100%自分のミス。「お前がアホやから失格になったんや」と自分に言い聞かせることができたが、今回は……前日以上にヘコんだことは言うまでもない。
 そこでこの日は、夜中の2時まで飲んだ(笑)。でも、飲んでも飲んでも酔わないし、あまりの悔しさに寝ることができなかった。パートナーは「手首を切って詫びる」と言ってたのだが……「こら、手首ってなんやねん。打ち首じゃ! ボケ!!」と心の中で叫んでいた。
 なにしろ大切な初戦だけに、賞金はともかく、ポイントを稼げなかったことがキツい。年間順位に大きく影響することは間違いなく、チャンピオンシップに出るためには今後かなりの巻き返しが必要になる。そういえば、JBのときは失格した後にクラシックで優勝した。こうなったら、チャンピオンシップで優勝して美酒に酔うことを目標にして頑張るつもりだ。
 
 今回使用したおもなルアーはベイトブレスのBYSクロー(テキサスリグ)、おなじみのD-ZONE(スピナーベイト)とワイルドハンチ(クランクベイト)。特に出番が多かったのは、湖が湖だけにテキサスのフリッピングだった。

 今年は“戦略”に重点を置いていこうと考えてたから、負け(?)は認めるけど、「リミットを揃える」という目的でサウスベイに行ったことは間違いじゃなかったと思う。自分の魚を見失いながらも、2日めはある程度イメージしたパターンがハマッたから、収穫はあったといえるだろう。
 次はBASSバスマスターツアー第1戦のフロリダ州レイク・トホ大会。プリプラクティスで湖を見てはいるものの、ここもオキチョビーと同じで、どこでも釣れる感じがするのが難しい。最終プラクティスで煮詰めて、なんとか上位入賞したいので、ぜひ応援してほしい。

清水盛三公式ウェブサイト「MORIZO WEB」

Posted by DODGE at 2005年01月24日 14:13 in MORIZO'S U.S.TOURNEY FILES

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