梅やモモ、スモモ、サクラなどバラ科の樹木を食害する特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の被害が、和歌山県印南町で初めて確認された。県内で被害が確認された市町は北から「17」に広がり、印南町まで南下した。
県によると、被害が確認されたのは、印南町内2カ所の梅園地にある計5本。いずれも幼虫が木の外に出す木くずとふんが混じったミンチ状の「フラス」が確認されている。成虫は見つかっていない。県によると、木の内部に幼虫が潜んでいる可能性があるという。
11月4日に御坊市内で被害が確認されたことを受け、県が今月10日、発生地点から3キロ圏内にある55カ所の園地で計1185本を調べた。
県は今後、発生地点となった印南町を中心に、さらに範囲を広げて被害状況を調査する方針。次回の調査は年内に行う予定。日高振興局農林水産振興課は「管内では被害が確認される地域が拡大している。啓発チラシや広報紙などを通じて、早期発見と適切な対処を呼びかけたい」と話した。
印南町企画産業課は「町内では梅の栽培が盛んで、現在は剪定(せんてい)の時期でもある。園地に被害がないか確認してもらい、これ以上広がらないよう、JAわかやま紀州地域本部と連携して対応していきたい」としている。
県によると、クビアカツヤカミキリの被害は2017年にかつらぎ町で初めて確認されて以降、拡大しながら徐々に南下している。印南町以北では、有田市と日高町以外の全ての市町で被害を確認している。10月末時点の被害本数は、農地で8080本、非農地で1149本の計9229本に上っている。
■「危機感持って」 みなべ町
印南町に隣接するみなべ町は、梅の主産地。町産業課は「農家だけでなく全ての町民にいっそう危機感を持ってもらい、早期発見、早期防除に取り組んでいく」と話す。今後、チラシの全戸配布や回覧などで啓発を強化するという。
みなべ町は、町内でフラスが見つかった場合、発見者から報告を受けて県とJA、町で現地確認をし、被害樹の所有者が伐採して抜根した場合か、伐採してシートで根を覆った場合に、1本につき3万円の作業労賃を支払う。被害樹の幹をネット被覆した場合は1本につき4千円支払う。印南町も同様の支援をしている。
