去年、BSSでは島根県にある宍道湖でキャビアの原料としても養殖される硬骨魚類「シロチョウザメ」が発見され、出雲市の水族館で飼育展示が始まったというニュースをお届けしました。 しかし、その後のDNA解析の結果、純粋な「シロチョウザメ」ではなく、「シベリアチョウザメ」との雑種であることが判明しました。
地元の漁師
「最初見た時、大きいサバだなと思って。びっくりしましたね」
当初「シロチョウザメ」と思われていた魚が見つかったのは去年3月のこと。 宍道湖で漁をしていた地元の漁師が、フナの刺網漁に使った網に引っかかっているのを発見し、その後、宍道湖や周辺水域に生息する生き物を飼育展示する出雲市の宍道湖自然館ゴビウスに持ち込まれました。
その後、専門家に確認を依頼したところ「シロチョウザメ」と判断され、体の傷の回復を待って、4月下旬から飼育展示が始まりましたが…
宍道湖自然館ゴビウス 担当者
「北半球の冷たい場所に暮らしていて、シロチョウザメは北米あたりです。自然の分布ではないです」
宍道湖は、島根県松江市と出雲市にまたがる汽水湖で、シジミやスズキ、モロゲエビ、ウナギなど、「宍道湖七珍」とも呼ばれる魚介類が獲れる恵み豊かな湖です。
しかし、「シロチョウザメ」の生息地は北米大陸の太平洋岸…一体どうやって宍道湖にやってきたのか、謎は深まるばかりでした。
そんな中、ある機関から「これはシロチョウザメではないかもしれない」と連絡があり、ゴビウスは企業にDNA鑑定を依頼。 そして約1か月後、驚くべきことが判明しました。
宍道湖自然館ゴビウス 担当者
「搬入されたチョウザメは、『シロチョウザメ』ではなく『雑種』であることがわかりました」
なんと、ゴビウスのチョウザメの正体は、「シロチョウザメ」とロシアのシベリア地方に生息する「シベリアチョウザメ」の雑種だったというのです。
担当者によると、この2つの種は生息域が異なるため、施設などで人為的に交雑され、どこかで飼われていた個体である可能性が高いということです。
宍道湖自然館ゴビウス 担当者
「知人が松江市の祭りで、『チョウザメすくい』の露店を見かけたという話も聞いたことがあります。」
実は、チョウザメの仲間は食用としてだけでなく観賞用としても人気が高く、ペットショップや露店での取り扱いもあるとのこと。
宍道湖自然館ゴビウス 担当者
「飼われていたものが意図的に捨てられたのか、偶発的に逃げ出したのかはわかりませんが、こうした外来生物は宍道湖の生態系に影響を及ぼしかねないので、責任を持って飼育してほしいと思います」
この雑種のチョウザメは、アリゲーターガーやオオクチバス(ブラックバス)など、宍道湖で捕獲された他の外来種と同じ水槽で飼育され、常設展示として見ることができるとのこと。
私たち一人一人が、外来種による生態系への影響についても考えていく必要がありそうです。
