熊本県人吉市温泉町の頭無川で、外来生物法の「緊急対策外来種」に指定されるキク科の多年草「アメリカハマグルマ」が繁殖している。幅1、2メートルの川を覆うように広がっており、専門家は生態系に重大な影響を及ぼす可能性があると警告している。
アメリカハマグルマは南アメリカ北部が原産地とされ、日本の在来種のハマグルマに似ている。繁殖力が強く、湿潤な場所にセリのように根を伸ばし、群生する。1970年代に沖縄県に持ち込まれたとされる。
頭無川では、環境省希少野生動植物種保存推進員で球磨湿地研究会代表の宮川続さん(74)=人吉市=が2023年に1株を確認し、駆除した。しかし、現在は数十平方メートルにわたって繁茂。直径約2センチの黄色い花が無数に咲き、チョウやハチが集まっている。
宮川さんによると、周囲にはツクシガヤなど絶滅危惧種の植物もある。「生態系への影響が懸念される。頭無川はアメリカハマグルマ群生地の近くで球磨川に注いでおり、一気に広がる可能性もあるのではないか」
熊本大薬学部薬用植物園の渡邊将人技術専門職員は「特定外来生物と同じレベルで警戒しないといけない植物」と指摘する。「川の流れや鳥が運ぶなどして繁殖エリアを拡大するので、田畑に入り込んで農作物に害を及ぼすことも十分考えられる」と話す。
宮川さんらは、環境省と熊本県の担当課に報告した。(東寛明)
