2006年12月23日

環境省レッドリスト ヤンバルクイナを絶滅危惧1A類に

 絶滅の恐れがある野生生物のレッドリスト見直しを進めている環境省は22日、絶滅の恐れのある種として鳥類、は虫類、両生類、無脊椎(せきつい)動物で57種を加え計200種を指定した。中でも、沖縄本島北部のヤンバルクイナと、小笠原諸島のアカガシラカラスバトなど8種が絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧(きぐ)1A類に新たに分類された。

 ヤンバルクイナは沖縄本島固有のクイナ科の鳥で体長約30センチ。飛べないため、ハブ駆除のために持ち込まれたマングースなどに食べられたり、交通事故で個体数が激減した。アカガシラカラスバトは小笠原諸島固有のハト科の鳥で体長約50センチ。野生化したネコやネズミに食べられる被害が多いうえ、えさの木の実が不足して激減した。いずれも個体数は50未満と推定され、危険度が1ランク悪化し、1B類から野生で最も絶滅に近い1A類になった。
 絶滅の恐れがある種に新たに分類されたは虫類13種のうち、12種は南西諸島に生息している。同省は「開発による生息環境の悪化に加え、外来種やペット用の捕獲も影響している」と分析する。
 一方、多くの個体が確認できたオオタカなど鳥類6種と、オオサワガニなど無脊椎動物5種は絶滅の恐れがある種からはずされた。
 沖縄本島(沖縄県)を含む琉球諸島と小笠原諸島(東京都)は、環境省が世界自然遺産の登録に向けた準備を進めている。固有種の保護は重要な課題だけに、ヤンバルクイナなどの1A類分類は、自然遺産の登録にも影を落としそうだ。
 リストは91年に初回版が作られた後、順次見直し作業が進められている。今回は02年度からの作業で、残る哺乳類や植物などについても06年度中に結果をまとめる。 【山本建】

+Yahoo!ニュース-社会-毎日新聞

Posted by jun at 2006年12月23日 18:49 in 自然環境関連

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