2006年11月09日

県、用水路整備で「水族館」作る いなべの宇賀川 川魚を観察

 【三重県】いなべ市大安町大井田の宇賀川右岸で県が進めている用水路整備で、区間の一部のコンクリート壁にガラス窓がはめ込まれている。県内では珍しい構造で、水面と断面から川魚を観察できる“水族館”として、ひそかな人気を集めている。

 用水路は長さ約80メートル。宇賀川の水や地下水をポンプで引き込む。水門を閉じなければ水は宇賀川へ戻る仕組み。自然の川を復元する狙いで、用水路の壁や底には川砂が敷き詰め、オイカワやカワムツ、ドジョウなど約10種類60匹がいる。

 コンクリート壁の区間は14メートルで、縦90センチ、横1・7メートルのガラス窓が3カ所にあり、自由に観察できる。

 用水路は、本来は周辺の農地のかんがい用水。老朽化したため、県が地域用水環境整備事業として5年前に全面改修に着手した。6月に用水路へ水を通し、生態系の保全や子どもたちの遊び場としての機能も持たせようと、川魚を放流した。

 整備事業検討委員会のメンバーで、施設の管理に当たる市まちづくり課の清水義孝さん(58)は「魚が川底をつついて水生昆虫を食べる様子など、自然の状態での生息ぶりを観察できる」と見学を呼び掛けている。

 川魚を観察しやすくするために一部区間の川幅を狭めるなどの手直しをした後、施設や川魚の説明板などを設置して来年3月までに完成の予定だ。

 周辺の遊歩道整備なども含めた総事業費は約2億2000万円。 (大森準) (中日新聞)

+Yahoo!ニュース-三重-中日新聞

Posted by jun at 2006年11月09日 22:34 in 内水面行政関連

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