滋賀県内の河川で、琵琶湖の固有種ビワマスの遡上(そじょう)がピークを迎えている。高島市の安曇川では、体の一部がこの時期特有のピンク色に染まった魚が銀鱗(ぎんりん)をきらめかせて、次々と網にかかっている。
ビワマスは冷たい水を好むため琵琶湖の中層から深層で暮らすが、産卵期になると川に上る。増殖のための採卵用の捕獲は15日から始まり、安曇川のほか知内川(高島市)、姉川(長浜市など)などで許可を受けた漁協組合員が150万粒の卵を集める予定だ。
安曇川では、地元の北船木漁協が川幅いっぱいに仕掛けた網に、多い時で1日50匹以上が入る。中には60センチを超える大物もおり、「アメノウオ」の別名もあるように、雨で川の水かさが増すと遡上が活発になる。炊き込みご飯や煮付けで食する秋の味を求め、地元の人たちが漁場に次々と訪れていた。 (京都新聞)