2006年09月23日

砂防ダム:イトウの繁殖阻害 防衛施設局も現地視察−−陸自・矢臼別演習場/北海道

 ◇イトウの繁殖妨げる−−保護団体要望受け、防衛施設局も現地視察
 道東の陸上自衛隊矢臼別演習場(根室管内別海町など3町)内を流れる風蓮川で、土砂流出を防止するために建設された砂防ダムが、環境省のレッドリストで「絶滅危惧(きぐ)IB」に分類され、“幻の魚”と呼ばれるイトウの繁殖を妨げていることが分かった。札幌防衛施設局は21日、地元の保護団体を伴って初めて現地視察した。【本間浩昭】

 研究者で北海道大大学院生の野本和宏さん(魚類生態学)が昨年から生息状況を調査したところ、繁殖に適した6支流中、少なくとも3支流で繁殖行動が著しく阻害されていることが判明した。
 地元の釣り愛好家らで作る「風蓮川を守る会」(坂野下英也代表)は8月18日、同局などに対し、ダムの撤去や改修、建設計画の中止、環境影響調査を求める要望書を提出。現地視察はこれを受けて行われ、野本さんが4基のダムの下流部でイトウの繁殖がどのように阻害されているかについて説明した。このうち3基では、サクラマスのそ上も妨げられていた。
 同川の砂防ダムは既に14基が完成し、現在も2基を建設している。同局は「現地を訪れたのはイトウの産卵床や稚魚の確認のための情報収集。今後、適切に検討していきたい」と話している。
 同演習場では02年、同局と厚岸町が建設した別寒辺牛川などの砂防ダムがイトウの繁殖地を破壊していることが分かり、ダムに切り込みを入れる工事に今秋着手する。 9月22日朝刊 (毎日新聞)

+Yahoo!ニュース-北海道-朝日新聞

Posted by jun at 2006年09月23日 09:21 in 自然環境関連

mark-aa.jpg