2006年08月30日

中間の遠賀川:30ヘクタールの中島、治水と自然再生両立を−−検討委 /福岡

 中間市の遠賀川に広がる島、中島(なかのしま)の治水と自然環境再生を両立させようと、国土交通省遠賀川河川事務所が専門家や地元代表らとつくる検討委員会が28日、同市役所であった。【武内靖広】

 ◇掘削し河岸部に緩傾斜も\n 中島は約30ヘクタールあり、周囲と隔離された環境にあるため、県の希少植物などが確認されている。しかし、この一帯は治水上は遠賀川全体の「ウイークポイント」とされ、流下能力を高めるための改修が必要とされている。
 これまでの検討委で、この島を掘削して「湿地帯」を増やし、流下能力を高めると同時にヨシなどの湿性植物を増やす方向性が確認されていた。
 同日は、検討委委員長の小野勇一・北九州市立いのちのたび博物館長が「計画の形がだんだん見えてきた。治水と環境をいかにうまく整合させるかがポイント」とあいさつ。冬季の現地調査でオオミノガなどが新たに確認されたことが報告された。また、島は現在ほとんど冠水しないため、放置すれば樹林化したり、セイタカアワダチソウなど外来種による植生への影響なども懸念されることから、多様な水際環境を創出するための掘削案が示された。掘削案は、年に10回程度冠水する環境を創出し、河岸部は緩傾斜化する――など。
 委員からは「利用面がしっかりしていないとまずい」「後で木がはえたりすることも念頭に、治水計画を立てる必要がある」などの意見が出された。委員会は今年度中に住民意見なども踏まえたうえで、中島自然再生計画書を策定する予定。
〔北九州版〕

8月29日朝刊
(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2006年08月30日 13:30 in 自然環境関連

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