京都市下京区、梅小路公園の「いのちの森」にあるビオトープ池で、アメリカザリガニとウシガエルが異常に繁殖、生態系を壊している。メダカや水草はほとんど食べられ、市都市緑化協会も頭を痛めている。対策の一環として、夏休みの子どもたちを対象にした「ザリガニ釣り」を19日に開く。「たくさん釣って池を救って」と呼びかけている。
「いのちの森」は市が建都1200年を記念し、都市のなかで昔の京都盆地の生態系を再現して、多様な生物を保全する狙いで整備した。1996年4月にオープンした。
20−120平方メートルの大きさの池が6カ所あり、トンボの幼虫だけでも15種類以上、アメンボなどの水生昆虫や水草も生息していた。しかし2年前から外来種のアメリカザリガニやウシガエルのオタマジャクシが大量に繁殖し、トンボなどをほとんど食べ尽くしてしまったという。
都市緑化協会はこれまで手入れを最小限に抑えた環境づくりを目指してきたが「人為的に泥上げをして、1度リセットするべきなのだろうか」と悩んでいる。
計画段階からかかわり、現在も森を調査している京都ビオトープ研究会代表の森本幸裕京都大教授は「琵琶湖に外来魚が繁殖しているのと同じ現象だ。10年でこの池が現在の日本の自然を再現してしまった」と話す。
当面はザリガニを減らしていくしかないといい、自然観察会を19日午前10時から開き、子どもたちに現状を説明するとともに、ザリガニ釣りをする。参加料200円。定員30人。問い合わせは市都市緑化協会TEL075(352)2500。
(京都新聞)