2006年08月07日

新幹線新駅、ダム「凍結」崩さず 県議会一般質問で知事

 【滋賀県】県議会7月定例会の一般質問が3日から始まった。新幹線新駅やダム建設の凍結を掲げる嘉田由紀子知事の政治姿勢などをただそうと初日は午前10時に開会、12人が質問し散会したのは午後8時20分すぎ。7日までの3日間で県会議員47人中30人が質問する予定。

 この日の答弁で嘉田知事は知事選での「民意」の実現を強調。県議らは「時間をかけて議論してきた重み」を主張し、知事に強い口調で方針転換を迫る場面もあった。

  ◇  ◇  ◇

 「琵琶湖博物館建設には230億円投入し、運営には毎年、県から持ち出しが年間7億2000万円。自分が関与しているものは見過ごしながら、人の計画に言い掛かりをつけるのはいかがなものか」。自民党・湖翔クラブの滝一郎県議は、嘉田知事が県職員時代にかかわった琵琶湖博物館を引き合いに、維持管理費が県負担とならない新幹線新駅との違いを強調。知事に凍結の再考を求めた。

 嘉田知事は「将来の厳しい財政状況を考えると、新駅に投資する余裕はないと言わざるを得ない」と説明。「15年前、20年前と今の財政状況は違い、苦しい中からの出発だという共通理解を」と理解を求めた。

 また同クラブの三浦治雄県議は「新幹線新駅はこれまで県財政に支障はきたさないと聞いてきたが、知事が替わったとたんに変わるのか」と県側に詰め寄った。これには沢田史朗総務部長が「新駅か、財政健全化を優先すべきか、県民の判断を重く受け止めて対応する必要がある」と慎重な答弁をした。

 湖北地域を流れる高時川で、渇水時に起こる「瀬切れ」防止対策にからみ、丹生ダムの必要性を強く訴えた同クラブ橋本正県議は「みんなが長年知恵を絞ってこぎつけた事業を学者の考え一つで棒に振ることことはできない」と主張。嘉田知事は、瀬切れ防止対策でのダムの有用性を今後の検討課題としたが、「県民の財政を預かる立場から、お金の問題も考えなければ」と、財政負担からダム建設凍結の姿勢は崩さなかった。

 また嘉田知事は「検証不足」などと指摘されているマニフェストについて「数字として確定していない部分については謝らせていただきます」と述べた。 (本安幸則、吉岡雅幸)
(中日新聞)

+Yahoo!ニュース-滋賀-中日新聞

Posted by DODGE at 2006年08月07日 16:30 in 内水面行政関連

mark-aa.jpg