2006年08月06日

<灯籠流し>水に溶ける商品…「環境問題」で揺れる

 夏の風物詩「灯籠(とうろう)流し」。最近、水に溶ける灯籠が回収の手間がかからないことを売りに増えつつある。ところが、環境NPO(非営利組織)などが「川が汚れる」と問題視し、国土交通省や自治体も「回収できず不適当」と主催者側に見直しを求める事態になっている。「目の前で回収されたら味気ない」との思いからも考えられた溶ける灯籠。日本の伝統的な風習が、環境問題で揺れている。

5日午後7時過ぎ、東京都足立区千住の荒川河川敷・虹の広場で、被爆2世の演歌歌手、山村貴子さんを中心とした実行委員会主催の灯籠流しが行われた。流された約300の灯籠は、約100メートル離れた2隻のボートから次々と回収された。
 この灯籠流しは03年から始まり、水に溶ける灯籠は当初から使用。しかしNPO「荒川クリーンエイド・フォーラム」が、「河川を汚すのではないか」と国交省に申し入れ、同省荒川下流河川事務所は今年、主催者側に回収するよう行政指導した。山村さんは「故郷の広島市で毎年行われる灯籠流しは、灯籠がすぐ下流で回収され、心を痛めていた。回収せずに済む灯籠にしたのに残念です」と話す。
 水溶性の灯籠の使用は全国的には100カ所程度と見られている。東京・隅田川の灯籠流しでは、昨年は水に溶ける灯籠だったが、東京都が「好ましくない」としたため、今年は溶けない材質に切り替えた。【山本建】
(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2006年08月06日 23:26 in 自然環境関連

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