2006年07月26日

トーナメント終了後、580尾のバスがデッドフィッシュに!?

580dead1.jpg lacrossetribune.comの7月22日付けニュースに「Something's fishy: DNR collects hundreds of dead bass from river after tournament(何かが匂う:DNRが大会後に多くのデッドバスを拾い集める)」といった記事が掲載されている。この大会とは7月12-15日にミシシッピーリバーを舞台に開催されたストレーンシリーズ・ミッドウェスタン第2戦のことで、なんと580尾を超えるバスの死骸が浮かんでいたという。

 DNRの発表によれば、トーナメントでキャッチされたバスは尾ビレをクリッピングしてマーキングされているため、容易にバスの見分けがつく。彼らが収拾したデッドバス582尾のうち、580尾が大会でウエイインされたものだった、というから驚きだ。
 DNRはバスの死亡率を調査しており、ここ2年間は死亡率が過去の平均を上回っていると発表。昨年も死亡率は高かったとレポートされているが、おもな死因はラージマウスバス・ウィルス(LMBV)だった。「今年のケースは、釣りあげられ、ライブウェルに入れられてウエイインされた結果、バスがストレスを感じて死に至った」と見解する。
 今大会で尾ビレをクリッピングされたバスは4日間で約2000尾。つまり、約1/4がリリース後に死亡したと考えられる。DNRとともに死亡率の研究するウィスコンシン大学は「トーナメントが引き金になって死亡率を上げた」とコメントした。

 ここからはアングラー側の主張だ。この記事にはアングラー、エド・ステルナー(53)のコメントも掲載されている。彼の言い分は「仮にアングラーがバスを殺しているなら、その理由を知りたい」としながらも、「この水域ではほぼ毎週大会が行なわれている。こんなに沢山のデッドフィッシュを見たのはいつ以来だ。彼らが最後に調査して以来じゃないのか」と告発。つまり、DNRのマーキングがバスを極端に弱めているのでは、と指摘している。
 またDNRは検査のために、ショックボート(「バッテリーと2本のポールを繋いで、電気によって魚を一時的に失神させる器具」を積んだボート)を用い、1日に約100尾のバスを収集。研究のために一時バスを研究所が所有するイケスに入れる。今大会開催中、ウィスコンシン州は記録的な気温上昇で猛暑となり、イケス内の水温が著しく上昇。その結果、酸欠で死亡した可能性もある。しかし、DNRは「イケスに入れたバスはマーキングされた個体ではない」と反論している。

 どちらにせよ、猛暑の中、「バスを長時間ライブウェルに入れる」といった行為がバスを弱らせているのは事実。BASS CITGOバスマスターEliteシリーズでもウエイインを待っている間にバスが弱って死亡し、問題になった。日本でも梅雨が明けると猛暑が訪れる。バスのケアには充分に注意したいものだ。
580dead2.jpg580dead3.jpg  ちなみに、この写真はFLWシリーズやストレーン戦に導入されているフィッシュ・セービングメソッドのウエイイン。ステージに水を入れた水槽を用意し、穴の開いたウエイイン用の水槽にバスを入れてステージに登る。ウエイイン用を水の入った水槽に入れて、ウエイトを換算する。「水の入っていないカゴなどにバスを出して検量すると、バスを弱める」との配慮で今シーズンから試験的に導入された。ウエイインを待つ時も水槽を入れる専用のウエイイン待ちスペースが用意されている。

+ニュースソース:lacrossetribune.com

Posted by DODGE at 2006年07月26日 18:26 in 海外フィッシング事情

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