2006年07月03日

滋賀県知事に嘉田氏が初当選 女性、全国5人目 国松氏の3選阻む

 任期満了に伴う滋賀県知事選は2日に投票、即日開票され、無所属新人で京都精華大教授の嘉田由紀子氏(56)が21万7842票を獲得して初当選を果たした。最大の争点となった、栗東市内で県などが推進する新幹線新駅や県内のダム計画に対し、凍結を訴えた嘉田氏が当選したことで、県民は新駅やダムに反対の意思表示をした形だ。女性知事は京滋で初めてで、全国では大阪府や北海道などに続いて5人目となる。

 3期目を目指した無所属現職の国松善次氏(68)は約3万2000票の差を開けられて敗れ、無所属新人で県労働組合総連合議長の辻義則氏(59)は及ばなかった。当日有権者数は106万2792人。投票率は44・94%で、2002年の前回知事選より6・27ポイント上がった。
 嘉田氏は、大津市や近江八幡市、長浜市など都市部を中心に14市町で他候補の得票を上回った。環境団体のメンバーらが中心になって選挙運動を展開し、支持を受けた社民党や一部の自民党議員の支援を受けた。「もったいないを活(い)かす滋賀県政を」をテーマに財政再建や琵琶湖保全、子育て環境の充実を掲げ、新幹線新駅や県内のダムの凍結を強く訴えた。
 国松氏は、2002年の前回知事選より約10万票減らした。推薦を受けた自民、民主、公明の3党をはじめ、連合滋賀や各種団体の支持層に支援を呼び掛けたが、固め切れなかった。「住んでよかったと思える滋賀県づくり」をテーマに、子育て環境や福祉の充実などを公約に掲げて2期8年の実績を強調した。新駅やダムについて「将来への投資」「治水対策に不可欠」と必要性を訴えたが、県民に浸透しなかった。
 辻氏は、市民団体の代表として新駅の是非を問う住民投票条例を直接請求し、県議会が否決したのを受けて「事実上の住民投票」と新駅中止を前面に打ち出した。「県民に開かれた新しい県政へ」をテーマに、福祉や教育などの優先を掲げて県政の転換を呼び掛けたが、嘉田氏が立候補したことで現職への批判票をまとめ切れなかった。
 ■嘉田 由紀子(かだ・ゆきこ)氏?n 1981年、京都大大学院修了。滋賀県庁に入り、琵琶湖研究所研究員や琵琶湖博物館総括学芸員を経て、琵琶湖博物館研究顧問や市民団体「水と文化研究会」代表などを務めた。2000年4月に京都精華大教授に就任し、環境社会学を教えている。大津市比叡平1丁目。
 ■滋賀県知事選開票結果(選管最終)
 当二一七、八四二 嘉田由紀子 無新
   一八五、三四四 国松 善次 無現
     七〇、一一〇 辻  義則 無新
(京都新聞)

+Yahoo!ニュース-滋賀-京都新聞

Posted by DODGE at 2006年07月03日 04:22 in その他のニュース, 内水面行政関連

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