2006年06月16日

放流魚:魚道スイスイ 遡上率、昨年の6倍−−三田・青野ダム /兵庫

 ◇自然の流れに近づけて
 三田市の青野ダムに県が全国で初めて作った「青野ダム多自然型魚道」で、先月放流した魚の遡上(そじょう)が過去3年間で最も多かったことが、県三田土木事務所の調査で分かった。遡上率は昨年の6倍近くで、自然の川に似た流れを作ったことなどが功を奏した。ホタルも確認され、人工の魚道が自然の川に近づいていると言えそうだ。【服部陽】

 ダムの完成(88年)によって、いったん遮断されたダム下流の青野川の魚や昆虫などの行き来を復活させようと、県が01年に魚道を整備。04年からアユやオイカワを放流し、遡上する数を調べている。
 先月27日、オイカワ3000匹を放流し、2週間で257匹(8・6%)が遡上した。昨年はアユ5000匹を放流したが、1カ月で75匹(1・5%)しか遡上しなかった。同事務所は、▽昨年のアユは養殖もので遡上能力が低かった▽魚道入口の石を置き換えてよどみを作り、自然の川に近い流れにした――ことが遡上率の上がった要因とみる。
 ◇ホタルの姿も\n また、魚道にはホタルの餌となるカワニナなどが生息。水田の用水路などにいたホタルの幼虫がすむようになり、羽化する様子も確認された。
 現在では、青野川で生息する水生昆虫など28種類のうち、25種類が魚道で確認されている。今後はダムにすむブラックバスなどの外来種への対策が必要という。同事務所は「今後もより自然に近い魚道にして、環境学習などにつなげたい」と話している。
〔阪神版〕

6月15日朝刊
(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2006年06月16日 11:29 in ブラックバス問題

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