約40年間にわたり蚊の駆除用として、徳島市が野外に放流してきたカダヤシという北米産の小さな魚が特定外来生物に指定され、市は8月までに飼育許可を得なければ、現在育てている約4000匹が違法状態になる恐れが出てきた。放流も譲渡もできず、処分せざるを得ない状況だ。
カダヤシは体長3−5センチの淡水魚。蚊の幼虫を好んで食べる。徳島市は湿地が多く、日本脳炎の原因となる蚊の大量発生に悩み、1968年から、用水路などへの放流を始めた。小さくてかわいいと市民の評判も良く、放流は毎年夏、数千匹ずつ続いた。
だが今年2月、メダカなど在来種を駆逐する恐れがあるとして、環境省は外来種被害防止法に基づく特定外来生物に指定、放流を禁止した。「もらって飼いたい」という市民もいるがペット目的の譲渡はできず、徳島市が飼育を続ける場合は、台風などで逃げないような設備をつくる必要がある。
(共同通信)