2006年04月20日

カワウ:アユの稚魚、食害深刻 花火や爆竹で一掃作戦−−きょうから /栃木

 水鳥「カワウ」が県名物・アユの稚魚を食べ尽くす被害が深刻だ。釣りはもちろん、郷土料理など観光の目玉で、増加する被害に関係者たちは頭を悩ませている。漁協などで作る県カワウ対策検討会は19日から10日間、カワウの一斉追い払いを実施する。【田後真里】

 県水産試験場の03年度調査では、カワウは年間延べ25万羽が飛来、アユやウグイの被害は年に約127トン、2億円以上に上るという。
 カワウはペリカン目ウ科。成鳥で体長約80センチになる黒色の大型鳥。日本野鳥の会によると、関東一円の個体数は94年から10年間で1・5倍増、1万5000羽に達している。長野県や山梨県などでは繁殖を抑制するため、巣の卵を石こう製の偽卵とすり替えるなどしているが、抜本的な対策になっていない。県内の調査では、藤岡町の渡良瀬遊水地や真岡市の井頭公園をねぐらにし、約50キロも飛んで鬼怒川などのアユを食い荒らすことが確認されている。
 県内の漁協は、約10年前から追い払いを始めた「先進県」。今回より効果を高めようと検討会の呼び掛けで、関東一都9県で初めて追い払いを同時に行う。
 県内では約900人が参加。鬼怒川などで早朝、ロケット花火や爆竹で脅すほか、水面上約3メートルにテグスを張って飛来を妨害。310羽を上限に捕獲も目指す。内陸部から追い払い、沿岸地域で海の魚を食べるように促す狙いがある。県自然環境課は「河川の護岸工事でカワウにとって魚を取りやすい環境を生んだのも原因の一つ。少しでも被害を減らせれば」と話している。

4月19日朝刊
(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2006年04月20日 10:30 in 自然環境関連

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