2006年04月12日

琵琶湖・北湖:ニゴロブナ、復活の兆し 200万尾以上で安定/滋賀

 ◇02〜04年度・推定生息数、県水産試験場調査
 ◇大型稚魚放流が奏功? 天然もの繁殖が課題   
 琵琶湖で資源量の減少が危惧(きぐ)されているニゴロブナに、復活に向けた明るい兆しが見え始めている。県水産試験場(彦根市)の調査で推定生息数が上昇する傾向を確認。放流稚魚の大型化が要因とみられるが、一方で、放流によらない天然での繁殖・生息数増が課題として浮かび上がっている。【森田真潮】

 同試験場は94年度から毎年度、冬季に北湖全域で漁業者の協力を得て、ニゴロブナ当歳魚(その年度の春に生まれた魚)の生息数推定のために捕獲調査を実施。各年度の推定生息数は▽94年度162万尾▽95年度125万尾▽96年度244万尾▽97年度55万尾▽98年度28万尾▽99年度222万尾▽00年度96万尾▽01年度187万尾――と不安定な変動を繰り返してきたが、ここ数年は▽02年度268万尾▽03年度230万尾▽04年度358万尾――と200万尾以上が続き、「回復傾向」を示している。
 また、あらかじめ標識を付けた放流魚が捕獲魚に占める割合を元に、生息数のうち、天然で生まれた魚と放流した魚との数をそれぞれ推定した。放流魚が▽01年度72万尾▽02年度110万尾▽03年度165万尾▽04年度161万尾――と比較的安定して増加傾向にあるのに対し、天然魚は▽01年度115万尾▽02年度158万尾▽03年度64万尾▽04年度197万尾――と増減が見られた。
 一方、県は03年度から水田を利用した稚魚放流を行っているが、03、04年度とも水田から琵琶湖に下ったフナが捕獲魚の約1割を占め、一定の効果を上げていることがうかがわれた。
 同試験場の根本守仁主査は「資源量の回復傾向は、主に大型稚魚の放流を本格化させた効果が表れているのではないか。湖岸の状況や外来魚の影響などの生息環境も含めて、生息数が変動する要因の分析を進め、効果的な対応を探っていきたい」としている。4月12日朝刊(毎日新聞)

+Yahoo!ニュース- 滋賀-毎日新聞

Posted by jun at 2006年04月12日 18:04 in 内水面行政関連

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