2006年04月12日

特定外来生物に指定で対応に苦慮 滋賀県、河川工事で植えた草花

 滋賀県が、河川工事の際に堤防ののり面に植えた草花の中に、環境省が2月に特定外来生物に追加指定したオオキンケイギク(キク科)が含まれていることが、11日までに分かった。これまでに県内3カ所の堤防で確認された。繁殖力の強さから周辺の生態系への影響が懸念されている。

 県は駆除の必要性について検討に入ったが、「取り除けば、堤防が崩れやすくなる可能性もあり、堤防強化の側面からも考えなければならない」と、対応に苦慮している。
 オオキンケイギクは北米原産の多年草で、5−7月に黄色い花が咲く。環境条件が悪くても育ち、群生するという。
 県はこれまで、堤防の土砂の浸食防止と緑化を目的に、「根が強くて定着が早い」とされる外来種を含む混合種を植栽してきた。
 オオキンケイギクなどが特定外来生物に追加指定されたのを受け、県河港課が調査したところ、長命寺川、蛇砂川(いずれも近江八幡市)、長浜新川(長浜市)の3カ所で、下流部の約0・2−約2・8キロの区間で、オオキンケイギクを他の植物と一緒に植えていたことが判明した。
 外来生物法では、指定植物を植えたり栽培することは禁じているが、すでに植えたものについての規制はない。環境省は「周囲に拡大する可能性があれば、刈り取った方が望ましいが、完全に駆除するのは現実的には難しい」としている。
 県は今後、開花時期に周囲への拡散状況を調べ、県生物環境アドバイザーの意見を参考に対応を検討する。河川法では堤防の植栽を義務付けており、植田彰河港課長は「オオキンケイギクが優占していることも考えられ、在来種への植え替えも視野に入れて検討したい」としている。
 小林圭介・滋賀県立大名誉教授(植物生態学)は「周囲の在来種を駆逐し、地域の生態系を破壊する恐れがある。ススキなど繁殖力の強い在来種を植えて駆除する方法もある」と話している。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2006年04月12日 10:02 in 自然環境関連

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