2006年03月20日

伊豆沼の温泉計画:県が掘削許可へ 生態系維持へ方策検討 /宮城

 ラムサール条約登録湿地の伊豆沼(登米、栗原両市)湖畔の温泉掘削計画について、県は掘削を許可する方針を固めた。環境団体などが、温泉の排水が生態系に悪影響を与えかねないとして計画中止を求めていたが、法律上の問題はないと判断した。県は今後、温泉の水質などを調査し、生態系を維持するための方策を検討する。

 計画では、栗原市の男性が伊豆沼から十数メートルの私有地で温泉を掘削し民宿を開く。下水道が未整備のため、排水は浄化槽を通した上で沼に放流する予定。
 計画を審査した県自然環境保全審議会は10日、許可が適当と知事に答申したものの「環境問題への十分な検討が必要」との付帯意見を付けたため、県の判断が焦点となっていた。
 県によると、掘削の許可、不許可の判断基準となる温泉法は、掘削による地盤沈下や土砂崩れなどを防ぐのが主な目的。「わき出た温泉を調べなければ環境への影響は分からず、現段階では計画を中止させる材料はないに等しい」という。このため現在、担当部署間で掘削後の環境保全をどう図るか協議している。
 計画に対しては、地元の環境団体「伊豆沼・内沼を温泉排水から守る会」(呉地正行代表)が「周辺の温泉と同じ塩分を含む温泉が出る可能性が高い。水の出入りが少ない沼に入れば、生態系を崩しかねない」と反発。全国の団体と連携して手紙やメールによる反対運動を行っている。
 県薬務課によると、掘削許可を出さないよう求める知事あての手紙とメールは17日現在、計1709通届いているという。【石川貴教、青木純】

(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2006年03月20日 11:00 in 自然環境関連

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