2006年03月05日

イルカ:岸乗り上げはなぜ? 磁場、海流、砂浜??GPS影響との指摘も /千葉

 ◇磁場、海流、遠浅の砂浜
 ◇外房で1カ月間に4件  
 一宮町周辺で2月28日にカズハゴンドウ約70頭が海岸にあがるなど、千葉の外房海岸ではこの1カ月余りで、海にいる生きた生物が岸に乗り上げる「ライブストランディング」と呼ばれる事例が4件確認された。原因は解明されていないが、海洋船舶のGPS(全地球測位システム)などによる影響を指摘する研究者もいる。何がイルカたちを千葉に引き寄せるのだろうか。【寺田剛】

 銚子市でイルカウオッチングを主催して11年目の銚子海洋研究所の宮内幸雄(49)さんは、磁場、海流、遠浅の砂浜を原因の候補に挙げる。宮内さんによると、鯨類は磁場に沿って回遊ルートを決める。「磁場線が九十九里海岸に向かって走っていれば、イルカが打ちあがる要因になる」といい「電磁波を発生する船舶レーダーやGPSが、磁場に影響を与える可能性もある」。
 またイルカは、自分が発した音を耳でキャッチして移動するとされる。音波が吸収されやすい遠浅の砂浜では、耳が正常でも誤った方向に導かれやすいという。
 ストランディングは、00年以降、急増している、との指摘もある。日本鯨類研究所(東京都)によると、国内でのイルカやクジラの2頭以上によるライブストランディングは、1986年の調査開始から99年までの14年で14件(910頭)なのに対し、00年以降は22件(510頭)に達している。茂越敏弘研究員(35)は「確実に増えていると実感している」が、原因は特定されていない。
 茂越研究員によると、海外の文献では自殺説もある。「群れをなして行動するなど、イルカは社会性が発達した生物。自ら個体数を調節しているという研究発表もある」という。
 だが、決め手となる原因は見つかっていない。
 国立科学博物館(東京都)では01、02年に銚子市に接する茨城県波崎町(現神栖市)に打ちあがったイルカ計6体を解剖、調査した。動物第一研究室の山田格室長は「死に至る寄生虫や感染症などは見つからなかった」と話す。原因究明は、28日に死亡したイルカも調査している同所の研究成果を待つことになりそうだ。
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 ◇千葉、茨城県の沿岸で生きた海せいほ乳類が浜にあがった主な事例?n01年2月11日 茨城県波崎町(現神栖市)でカズハゴンドウ約50頭
02年2月25日 同町でカズハゴンドウ約85頭
06年1月23日 旭市でカズハゴンドウ26頭
   2月10日 御宿町で約4メートルのシャチ1頭
   2月22日 いすみ市、一宮町でカズハゴンドウ3頭
   2月28日 同所でカズハゴンドウ約70頭
 (注)国立科学博物館のデータベースと毎日新聞より抜粋?n
3月4日朝刊
(毎日新聞)

+Yahoo!ニュース-千葉-毎日新聞

Posted by DODGE at 2006年03月05日 15:26 in 自然環境関連

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