2006年03月04日

滋賀県、全閉解消へ独自治水案 瀬田川洗堰 国交省審に提案へ

 滋賀県は、洪水時に琵琶湖から下流への流出量をゼロとするために国が取っている瀬田川洗堰(大津市)の全閉操作措置の解消に向け、独自の治水計画案づくりを進めている。淀川水系の河川整備基本方針の策定に向け、検討を続ける国土交通相の諮問機関、社会資本整備審議会小委員会に提案する予定だ。

 1971年につくられた現在の国の淀川水系工事実施基本計画では、京阪神地方など琵琶湖の下流域を水害から守るため、瀬田川洗堰の全閉操作を河川整備の前提としている。県は「全閉操作は上流に犠牲を強いている」として見直しを迫ってきた。
 社会資本整備審議会小委員会は昨年10月から、淀川水系の長期的な整備の在り方を示す河川整備基本方針の議論に入った。同小委員会の席上、国は「全閉操作の解消をできるだけ目指す」という考えを初めて明らかにしたが、具体的な方針案はまだ示していない。
 こうした動きの中、県は昨年末、庁内に「琵琶湖淀川水系問題検討会」を設置し、淀川流域の雨量データや宇治川、木津川、桂川の断面図などを集め、全閉操作に代わる治水対策案の検討を始めた。既存ダムの運用の見直しや宇治川の拡幅、国が事実上の中止を打ち出した大戸川ダム建設なども想定し、県独自で流域一帯の治水対策案をシミュレーションする。
 県水政課の安田全男主席参事は「上、下流が助け合える治水計画があるはず。国に任せるだけではなく、流域全体を統合的に考え、技術に裏打ちされた治水の在り方を示したい」と話している。
(京都新聞)

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Posted by jun at 2006年03月04日 14:22 in 内水面行政関連

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