2006年03月01日

マイケル・アイコネリに黄色信号が点灯 プロアングラー廃業の危機!?

06ikedq1-2.jpg BASS CITGOバスマスター・クラシックレポートで記したように、マイケル・アイコネリがクラシック初日にDQになった。彼はライブウェル内でデッドフィッシュ(または死にかけたバス)を発見。普段から使い慣れていないトライトンボートのライブウェル、そして入れ替え可能かをオフィシャルに問い正したが明確な返事が得られなかったために激怒。 “逆ギレ”を起こしたアイコネリは、ボート後部のランニングライトを破壊。これによって初日の成績がDQになった。しかし問題は破壊行為より、ライトに装着されていた米国国旗への冒涜にあった。28日、アイコネリのスポンサーであるレンジャーボートが彼との契約打ち切りを発表。今週にはFLW第3戦がスタート、2週間後にはBASS Eliteシリーズが開幕するが、彼にはボートがない状態だ。そして国旗を冒涜したアイコネリは愛国心が強いアングラー、そして一般人から批難を受けている。どうする、アイク!

 マイケル・アイコネリ、通称アイクはペンシルバニア州生まれでニュージャージー州育ちのストリート気質を備えたトップアングラーである。フェデレーションからバスマスター・クラシック・クオリファイを獲得。その後オープン戦を通過し、バスマスターツアーに昇格。2003年にはクラシックの頂点に立つなど、彼のアングリング・ポテンシャルはファーストクラスである。06c1_mike2.jpg
 しかし、彼のパフォーマンスに悩まされるライバル、ファンは少なくない。ESPNがBASSを買収したことで、バスフィッシング自体が一般層にまで認知されるようになったが、北部の人々と比較し閉鎖的な考え方をする人々が多いアメリカ南部域で発達したスポーツだけに、湖上で叫んだり、また紳士的とは思えない無礼な行為で多数のライバルや一般アングラーから後ろ指を指された。
 一方で、彼のような独特の性格、パフォーマンスは番組を盛り立て、高く評価されている。そんな彼を追いかけるファンも多い。ところが、あまりにも身勝手な行為から、幾度となくライバル・アングラーからプロテスト(抗議)を受け、彼をよく思っていない仲間も存在する。

 そんな彼のバッドマナーを示唆する記事が、GQ(男性総合誌。ファッション、スポーツ、ライフスタイル、ビジネスなどとジャンルを問わず、最先端のトッピックスを提供する)に掲載された。タイトルは「THE TEN MOST HATED ATHLETES(もっとも嫌われた10名のアスリートたち)」である。アイクはこの記事の6位に入り、デニー・ブラウアーやブレント・チャップマンなどからアイクが行なった悪事(or認められない行為)が記載された。

 そんな悪名高きアイクが、満を持してクラシック2006に出場。「やっぱりな」とファンを落胆させる行為を起こしてしまった。
 クラシック初日のレポートや上記で示したとおり、彼は競技中にランニングライトを破壊。そのライトに装着されていた米国国旗もまとめて、湖面に投げ捨てたのだった。
 アイクは初日のウエイイン後、トーナメント・ディレクターから正式にDQを申し受ける。アイクは「私は感情豊かな人間なんだ。笑ったり、喜んだり、怒りも表に現す。それがあの形になっただけさ。まさかDQになるとはね。(その判断には)失望したよ」とコメントした。

06ikedq2-2.jpg このコメントを聞いて、アングラー、そしてウエイインをテレビ観戦(ネット観戦)した愛国心の強い人たちをさらに逆上させた。
 「私の息子や友達、家族、親戚、近所の人などが、自分の命を犠牲にしてアメリカのために中東諸国で戦っている。彼らは米国国旗を胸に付け、私たちが夜、静かに平和に就寝できるように戦ってくれている。彼らがいるから、私たちも釣りができる。なのに、アイクは自分のミスを棚に上げて、国旗を捨てた。冒涜した」とアイクへの怒りは沸点に達した。
 ネットでBBSなどをチェックすると、「クラシックがフロリダで開催されて、アイクは救われた」とあった。つまり、仮に愛国心が極度に強い人たちが住む地域でクラシックが開催されていたなら、アイクは無事に家路に着けなかった、というニュアンスである。

 今回アイクが行なった行為により、レンジャーボートは彼との契約打ち切りを発表した。
 彼の契約内容は明かされていないが、仮にアイクがボートを返却することになれば、彼は3月1日からスタートするWal-Mart FLW Tour第3戦に向けて、マイボートが用意できない状態にある。たとえば、開催地(ピックウィック・レイク)付近のディラーからボートを借りることはできる。また自腹でボートを購入することも可能だが、3月9日に開幕するBASS CITGO Eliteシリーズに出場するには、マイボートにラッピングを施す義務がある。アイクはこれをクリアできるのだろうか。
 レンジャーボートが契約を打ち切ったとなれば、同じジェンマー傘下のチャンピオンボート、ストラトスボートとの新契約は難しい。試合中にボートを壊されたトライトンボートもアイク獲得に乗り出すとは思えない。彼はヤマハの船外機を使用しているため、スキーターへのアプローチが現実的と思われるが、果たしてどうなのか。スキーター/ヤマハには厳格者で有名なジェイ・イエラスがトップに君臨する。やはり自腹で購入するしかないのだろうか。購入したとしても、ボートラップはEシリーズまでに間に合うのか!?

 またアイクは自分のオフィシャルサイトにて、謝罪文を掲載(28日付け)。国旗の冒涜について記した部分で、「兵隊の支持しています」と書いているあたり、かなり批難されたのだろう。
 よくも悪くも話題を振りまくマイケル・アイコネリ。明日からのFLW戦、Eliteシリーズ第1戦から目が離せなくなった。

+Bassmaster.com
+GQ
+マイケル・アイコネリ

Posted by DODGE at 2006年03月01日 18:22 in 海外フィッシング事情

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