◇霞ヶ浦発リサイクル始動−−肥料・飼料化、農産物に
霞ケ浦を浄化しようと、NPO法人「アサザ基金」(本部・牛久市)などが湖内の外来魚を捕獲して肥料や飼料にし、有機農法に使っている。湖内の生物を「リサイクル」することで、水質悪化の原因となる窒素やリンを減らす狙いがある。農産物には「湖が喜ぶきゅうり」「湖が喜ぶたまご」などの名前もついている。関係者は「全国でも珍しい試み。品物が売れるほど霞ケ浦がきれいになる」と期待する。
霞ケ浦では、在来魚を食い荒らす外来魚が急増して漁業に深刻な被害を与えているほか、窒素やリンを含む生活排水や化学肥料を含んだ農業排水の流入で、水質汚濁の指標となるCOD(化学的酸素要求量)が環境基準の2倍を超える状態が20年以上続いている。
同基金によると、外来魚の捕獲により、湖で死んだ場合に放置される窒素とリンを取り除くことができる。肥料化して化学肥料の使用量を減らせば、湖内の窒素とリンの量はさらに減るという。 地元漁協が捕獲した外来魚を同基金などが買い上げ、鉾田市などの工場で肥料や飼料に加工し、契約した農家で有機野菜や卵の生産に使ってもらう。キュウリや卵は生協を通じて出荷されているほか、キュウリは川崎市のスーパーでも販売されている。
05年度はハクレン、アメリカナマズなど76トンを捕獲し、37トンの肥料に加工、キュウリ100トン、卵8トンを生産する見込み。同基金の飯島博代表理事は「外来魚の駆除で生態系も守れる。水質保持と合わせ一石二鳥の方法。将来は外来魚捕獲、肥料製造とも10倍に拡大したい」と話す。【三木幸治】
(毎日新聞)
Posted by DODGE at 2006年02月20日 10:12 in ブラックバス問題