2006年02月17日

6割 外来種との雑種 昨春 滋賀県内のタンポポ分布状況

 滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)は、昨年春の県内のタンポポの分布状況をまとめた。在来種と外来種の雑種が全体の6割を占めることが分かり、同博物館は「雑種の拡大は今後、在来種の減少に大きな影響を与える恐れがある」としている。

 調査は昨年4、5月に、同博物館を拠点とする市民グループなどが参加し、県内全域の約1900地点でタンポポを収集した。花や花粉の形態、新芽のDNAなどを調べ、今回から在来、外来だけでなく雑種の区別も始めた。
 その結果、2種確認された在来種は35%で、1998年の調査から4ポイント減った。また、これまで外見的に外来種と判断した花の8割が、DNA分析で雑種であることが判明。外来種は6%にとどまり、雑種が59%も占めた。
 外来種は新たに開発された裸地で分布を広げた。雑種は、昆虫を介して運ばれた外来種の花粉が在来種に受粉し、増えたとみられる。雑種と外来種の多い地域を1200メートルメッシュの分布図で示したところ、湖南を中心とした人口密集地で目立った。
 同博物館の布谷知夫・上席総括学芸員は「雑種が予想以上に多かった。土地の開発が、見えない形で生態系を変化させていることを示している」と話している。調査結果は、4月末から県立琵琶湖博物館で展示する。(京都新聞)

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Posted by jun at 2006年02月17日 12:04 in 自然環境関連

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