2006年01月31日

死ぬ貝類、急増 琵琶湖水位−1m以下で

 国土交通省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所(大津市)はこのほど、琵琶湖の水位低下が貝類に与える影響に関する調査結果をまとめた。水位がマイナス1メートルより低くなると、死んでしまう貝類が急に多くなると推定されること、また水位低下によって生じた水たまりに貝類が逃げても、そのほとんどが10日前後しか耐えられないことが明らかになった。

 滋賀県水産試験場と県琵琶湖・環境科学研究センターの貝類の分布調査をもとに水深7メートルまでに生息する個体数をシミュレーションした。それによると、水深1メートルまでに生息する貝類は全体の約5%にすぎず、残り95%は水深1メートルから7メートルの水域で活動しており、水位がマイナス1メートルより低くなれば、こうした分布密度の高い所にまで影響の及ぶことがはっきりした。
 一方、貝類の中で個体数の多いヒメタニシやチリメンカワニナ、マシジミなど5種を対象に水位の変動に伴う動きも観察した。湖岸の地形をイメージして傾斜をつけた砂地に貝を放置し、水位を1日1センチずつ下げていったところ、すべての貝が、水位が低下する途中で生じる水たまりに集まり、孤立した。さらに、水深5センチの水たまり状態を再現したトレーに20匹ずつ放置し、生存する割合を比べたところ、ヒメタニシは15匹が50日以上生き延びたが、残る4種は11日目までに全滅し、長期に及ぶ水位低下に耐えられないことが明らかになった。(京都新聞)

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Posted by jun at 2006年01月31日 13:21 in 魚&水棲生物

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