2006年01月23日

外来魚生息、在来魚上回る 堅田内湖 近大グループが4年間個体調査

 在来魚が多く生息していた琵琶湖の堅田内湖(大津市)で、外来魚のブルーギルとオオクチバスの占める割合が在来魚を上回ったことが21日までに、近畿大の研究グループの調査で分かった。個体数を4年間、継続的に調べることで、外来魚が急速に拡大する過程が明らかになり、専門家は「こうした劇的な変化が別の内湖でも起こる可能性は高い」と指摘している。

同大学農学部研究員の中川雅博さん(30)=大津市鶴の里=ら2人が2001年8月から05年5月にかけて、同市今堅田1丁目の内湖で毎年112回−12回、網で魚類を捕獲し、在来魚と外来魚の個体数を調べた。
 1年目は、総捕獲数1721匹のうち、在来魚のフナ類が40.4%を占め、ブルーギルは2.4%、オオクチバスは0.9%に過ぎなかった。フナ類は3年目まで40%以上だったが、一方で、ブルーギルとオオクチバスはそれぞれ10.8%、4.4%に増えた。
 4年目には、総捕獲数151匹のうち、ブルーギルが60.3%、オオクチバスは8.6%まで急速に拡大し、外来魚が過半数を占めた。フナ類は一気に16.6%に落ち込んだ。
 滋賀県の01年の調査では、堅田内湖は県内23の内湖のうち8番目に在来種が多く、良好な生態系を保っていた。
 堅田内湖は近年、透明度が向上しているといい、中川さんは「視覚に頼って行動するブルーギルとオオクチバスには繁殖や捕食に有利に働き、一気に増殖した」とみている。
 県立琵琶湖博物館の中井克樹主任学芸員は「こんなに急速に、在来魚と外来魚の生息割合が逆転したことに、あらためて驚いた。多くの内湖で起こっている可能性があり、効果的な外来魚の駆除方法を考えなければいけない」と話している。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2006年01月23日 11:09 in ブラックバス問題

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