2006年01月14日

桐山孝太郎さん、今季はバスキャットでEliteシリーズに集中参戦

evachamo05kiriyama.jpg 1998年から本格的にBASSの大会に参戦、2000年からはバスマスターツアーに昇格し、3度のCITGOバスマスター・クラシック出場(最高位は4位)といった輝かしい成績を残しているトップアングラー、桐山孝太郎さんが、来季はCITGO Eliteシリーズに参戦することが決定した。また桐山さんは、今シーズンからバスキャットボートと新たに契約。バスキャット/ヤマハのパッケージでシリーズを駆け抜ける。今回の移籍や今シーズンの抱負について、メールインタビューを行なった。

 アメリカで活躍する日本人アングラーに関して多くのファンが気になっていたこと、それは揉めに揉めたBASSの新しいシリーズ、CITGO Eliteシリーズに誰が参戦するのかということだ。現在のところ、参戦を表明しているのは大森貴洋さん、清水盛三さん、そして桐山孝太郎さんだ。膨大なエントリーフィーに加え、アングラーにとっては足かせとなりかねないレギュレーションもあって出場については悩んだようだが、最終的にCITGO Eliteシリーズへの参戦を決意。桐山さんはCITGO Eliteシリーズを中心としてトーナメント活動をするようで、FLWなど他団体への出場予定は現在のところないという。

 BASS、FLWともに大幅な変革があったこのポストシーズンだが、これに呼応するかのようにアングラーのボートスポンサー移籍も活発になっている。アメリカのバスフィッシングニュースサイト“BassFan.com”も特集を組んでいたが、長年レンジャーに乗っていたアーロン・マーテンスがトライトンへと移籍。このほか、トライトンに乗っていたダスティン・ウィルクスがスキーターへ、スキーターに乗っていたイッシュ・モンロー、ストラトスに乗っていたチャド・グリズビーとレイ・シェイーデはそれぞれレンジャーへと移籍した。そして、この“BassFan.com”でもトップで報じられていたのが、桐山さんのバスキャットへの移籍である。今回の移籍は、どのような経緯だったのだろうか。
 「まず、スキーターのマーケティングの方針が自分の目指している方向とは違ってきたことが前提としてありました。バスキャットからは、『うちにはヤマハプロも日本人プロもいないし、お前は目立つから必要だ』といわれ、そこから今回の話がスタートしたんです」。桐山さんはこう切り出した。 

 しかし、ボートはトーナメントにおいてもっとも重要なパートナーともいえる存在だ。ボートを変更することに不安などはなかったのだろうか。これに関して、桐山さんは契約する前に1週間バスキャットのボートを使用し、徹底的に使い込んでみたという。そして、バスキャットが非常に優れたボートだと確信したという。
 「まずはスピード。これまでのスキーターでは71マイルぐらいが最高スピードでしたが、このボートではGPS速度で78−80マイルも出て、これは他のメジャーな会社のボートよりも速いものです。それと、釣りのしやすさにも感心しました。たとえば、バスキャットが一番初めに採用したリセスペダル(バウデッキに埋め込まれるようにデザインされたトローリングモーターのペダルスペース)。これは今では他社も続いて採用してますが、その位置が他社より前方に設置されいて、キャスティング時にトローリングモーターにルアーが当たらないように配慮されています。また、前方にあることで自分の後ろにスペースができ、ロッドなども置きやすい。アングラーのことを実によく考えたデザインなんです」。
 このほかにも、バスキャットならではのメリットを多く発見したという。「魚探をコンソールに入れられるんですが、これによって、走行中にズレたり、故障のもっとも大きな原因となる浸水の心配がなくなっています。バッテリーやビルジポンプなどへのアクセスもオープンになっていて、これも他社とは比べ物にならないほど使いやすく感じました。ボートの作りもとてもしっかりしていて、細かい部分にまで丁寧に頑丈に作られているので、長い間乗る人やラフなコンディションで釣りする人にはぴったり……つまり、トーナメントアングラーにとって安心できるボートなんです。ほかにも、たとえばトレーラーもスペアのベアリングを積んでいたり、パンクした時にすぐに変えられるようにインスタントジャックも装備されているなど、至れり尽くせりのボートだと思いました」。 

 まさにバスキャットに惚れ込んでの移籍となったようだが、この最大のポイントとなったのは、会社の方針だったようだ。「大きい会社にしようというのではなく、カスタマーケアを大事にしている点に好感を持ちました。正直なところ、最初はメジャーな会社でなくて大丈夫だろうか、という心配もありました。しかし、スタッフたちと話をするにつれ、『もっといいものをつくり、カスタマーを大事にしたい』という気持ちが伝わってきました。ボートのよさだけでなく、会社の方針に共感したということが移籍の決め手になりました」。

 バスキャットという新しいパートナーとともにCITGO Eliteシリーズに挑む桐山さん。CITGO Eliteシリーズではラッピングボートでの出場が義務づけられているが、現在のところ、ラッピングのスポンサーはまだ決定していないという。
 また、春に集中して開催されてきたこれまでのツアーとは異なり、CITGO Eliteシリーズは長いシーズンとなる。これについては「すべてのシーズンに分けられ、長期になったことは歓迎です。今までも一年を通してトーナメントをしてきたので問題ありません。ただ、改定されたルールが釣り人のためというより、ESPNがスポンサーを増やすためのように感じることが残念ですが」と語っている。

 今シーズンの目標についても伺ってみたが、たとえばバスマスタークラシック出場やアングラーオブザイヤーのような具体的な言葉はなく、「今シーズンの目標は臨機応変に釣りをすること。それによってもっとその時その瞬間のベストのパターンを見つけられるようになること」だという。これは桐山さんらしいアンサーだといえるだろう。

  最後に、日本のファンへのメッセージをお願いした。

 「日本のみなさんにはバスフィッシングの楽しさをもっと味わってほしいですね。そのために、自分が発見した新しいことや、楽しいことをどんどん伝えていくつもりです。新しいボートができたら、またニュースをお届けしたいと思ってます。フィッシングショーにも大阪、横浜両方参加予定ですので、みなさんとお会いすることを楽しみにしています。シマノからも新しいニュースが届くと思いますので、みなさんもぜひチェックしてください。日本にはそれまでなかった、新しいタックルが発表される予定ですので、お楽しみに!」。

 今年のフィッシングショーでは、新しいトーナメントシャツに身を包んだ桐山さんに会えそうだ。絶好の機会なので、ぜひ直接桐山さんに応援メッセージを届けてほしい。なお、桐山さんのスケジュールや近況などは公式サイト“KOTA KIRIYAMA.COM”でもチェックできる。

+KOTA KIRIYAMA.COM

Posted by DODGE at 2006年01月14日 00:59 in 海外フィッシング事情

mark-aa.jpg