2005年11月25日

コイヘルペス:乳酸菌で予防、感染試験で延命効果確認 筑波大・星野教授発見/茨城

 乳酸菌にコイヘルペスウイルス病(KHV)を予防する効果があることを、筑波大の星野貴行教授(応用微生物学)が突き止めた。KHVは霞ケ浦をはじめ全国各地の養殖場や河川でコイの大量死を引き起こしたが、有効な対処法がなく、実用化が期待されそうだ。

 星野教授はまず、コイの消化管内から採取した乳酸菌を調べ、一般的な魚病の病原菌に対する抗菌活性があるなどの8種10株を選んだ。これらの乳酸菌を餌に混ぜてコイに与えたところ、3株にコイの成長を促進し、免疫力を高める効果があることを確認。この3株を混ぜた餌を使いKHVの感染試験をした。
 6〜10匹のコイを入れた二つの水槽を用意し、2カ月間、一方に普通の餌を、もう一方には乳酸菌を混ぜた餌を与えた。その後、KHVで死んだコイを5日間水槽に入れたところ、普通の餌のコイ全部が45日目までに死んだのに対し、乳酸菌を投与したコイはすべて生き残った。
 コイの腹にKHV溶液を注射する強力な感染方法でも、水槽の水を交換した場合は乳酸菌投与のコイは死なず、水を替えない悪環境でも延命効果がみられた。生き残ったコイは、乳酸菌投与をやめた20日間後のPCR検査でKHV陰性だった。
 星野教授は「実験室レベルではKHVの予防効果を確認できた」として、9月から茨城県内水面水産試験場で、よりたくさんのコイを使った共同研究を始めている。【須田桃子】11月25日朝刊

+Yahoo!ニュース-茨城-毎日新聞

Posted by jun at 2005年11月25日 17:34 in KHV関連

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