2005年10月17日

バス釣り少年に支援の輪 事故でリハビリ中の伊藤君

 元気になったら絶対、釣り行こうな――。交通事故で言語機能などが低下し、懸命のリハビリを続けている高知市の釣り少年に、全国から励ましの声や浄財が続々と届いている。きっかけは少年が大好きなブラックバス釣りのプロに、少年の中学時代の恩師が送った一通のメール。「あこがれのプロから励ましてもらえたら、力になるはずです」。全国のプロや県内外の愛好家が応え、支援の輪が広がっている。

 高知海洋高校2年、伊藤龍太君(17)=同市東秦泉寺。小学4年からバス釣りに夢中になり、中学からは部活動のバドミントンと同じくらい釣りに打ち込んでいた。
 しかし、3月1日夕、その釣りからミニバイクで帰宅中、南国市内で車に衝突され、意識不明の重体に。高知医療センターで手術を受けて生命の危機を脱し、6月には高知市内のリハビリ病院に転院。以来、身体、言語機能の回復に努力する毎日を送っている。
 事故後間もなく、中学校時代の担任で伊藤君の「釣りの弟子」、森田杉彦教諭(31)=同市朝倉第二小=が思い立ったのは「もし、バスプロから元気をもらえたら…」。伊藤君あこがれのプロ、菊元俊文さん(42)=大阪府=に事情を伝えるメールを送った。
 菊元さんは、平成9年に始まった全国トップクラスのバス釣りトーナメント「JBワールド」の初代チャンピオン。「これはほっとかれへん」と事故の翌月に来高し、ベッドサイドで伊藤君を励ました。
 その後も、菊元さんや同高フィッシング部顧問の阪口勝俊教諭(41)らが旧知のプロに呼び掛け。複数のプロが新製品のルアーやロッド(さお)などを送ってくれたり、見舞いにやって来た。
 さらに、事故の相手が任意保険未加入で補償が十分でないことから、菊元さんらは「バス釣りでつながろう! 伊藤龍太君応援基金」を設立。これが雑誌などに相次いで取り上げられて、全国の愛好家から浄財はもちろん、「またルアーが投げられるように頑張って」「いつか(釣り)番組にゲストで出てね」といったメッセージが次々と寄せられ始めた。
 どんどん広がる支援の輪に、菊元さんは「釣りには社会的地位や年齢が関係なく人を結び付ける力があります」。伊藤君の両親は「こんな応援にどう応えたらいいものか。龍太がもう一度、釣り場に立つことがお返しでしょう」と感謝の気持ちを話す。
 今月6日、菊元さんは再び見舞いに訪れ、「髪の毛伸びたなあ」「(左手の握力も)回復してきたな、強いなあ」とほほ笑み、「治ったら一緒に釣り行こうな!」。
 伊藤君は「早く右手、右足を治します。一番好きで、一番釣れる穴内ダムに行きたい」と目を輝かせながら応えていた。
+高知新聞ニュース-10月15日夕刊ヘッドライン-高知新聞

なお、「バス釣りでつながろう! 伊藤龍太君応援基金」に関する記事は、釣り専門チャンネル“釣りビジョン”の公式サイト内、“BIG BITE -KIKUMOTO STYLE”のコラムにも詳細が記されている。
+釣りビジョン“BIG BITE -KIKUMOTO STYLE”菊元だよりコラム41
+釣りビジョン“BIG BITE -KIKUMOTO STYLE”菊元だよりSPECIAL
+釣りビジョン

Posted by jun at 2005年10月17日 16:52 in ホット・ニュース

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